たかぎメシのビリヤニ研究日記 v.05_ビリヤニ大澤で研究の成果を感じる
ふと思い返せば、この研究日記をつけ始めてからおよそ2ヶ月が経ちました。
当時セブンイレブンのフェスで流通していたビリヤニ(国産米)に端を発し、アジア文化圏の端から端に渡ってきたこの珍妙な米料理をどうにかものにできないかと
作り、食べ、また作りを繰り返してきました。
自作ばかりもなんだか単調に感じられてきた折、v.039で国内の名店について書いていたらどうにもこうにも食べたくなって
ちょうど予約が取れたビリヤニ大澤に8ヶ月ぶりに行ってきました。
毎日20時から始まる争奪戦に参加するか、1名だとこっそり枠が空いていることがあります。
昨今のビリヤニブームに押されて本当に予約困難店になっていますが、食べて美味しい話して楽しいお店なのでぜひ一度行ってみてほしいです。
私がビリヤニ大澤を好きな理由
ビリヤニ大澤と言ったら、コーラとビリヤニ。
日毎にたった1種類のビリヤニが大鍋に炊かれ、この字に並んだ9名が文字通り、同じ釜の飯を食う仲間となるのです。
一皿ずつ、鍋から一掬いされるビリヤニを待つ間、9名の生唾を飲む音だけが店内に響き渡ります。
待ち焦がれたその皿は、白、黄、緑のコントラストが美しく輝く!
湯気がキラキラと輝き、その白煙に乗って広がるカルダモンの軽やかな芳香を胸いっぱいに吸い込んで。
パクチーはこれくらいワサっと乗せてもらうのが好きです。宅ビリの時も大澤スタイルでパクチー増し増しに。
ライスの色の違いはグレービーの染み具合の違いです。それぞれを分けて楽しむのもよし、混然と混ぜ合わせて小さな箱庭を作るのもよし。
合わせるのはギリギリ液体を保つ温度のコカコーラ(瓶)。うまくすると過冷却が起こり、シャリッと薄い氷の膜が張った炭酸が喉を駆け巡ります。
繊維のしっかりとしたマトンを咬みながら、スパイシーな炭酸をキメる、この祝福を作り出したビリヤニ大澤はやはり神業だと思うのです。
研究を始めて実感した成長
・基礎知識のおかげで、より多くの情報を受け取れるようになった
例えばスパイスの使い方。
以前は十把一絡げに「スパイス」と認識していたそれぞれの特徴を理解しているので、「なぜ使われているのか?」「どのような下処理がされているのか?」に目がいくようになりました。
その探究心のおかげで、入っていたグリーンカルダモンは(おそらく)事前にタネを割った後テンパリングし、香りを出しやすくしているものと分かりました。
早速次回はその学びを活かした宅ヤニになることでしょう。
・自分なりの仮説を確かめられた
私は自分で作るビリヤニは、少し塩分を控えめにしています。
副菜も乗せることが多いし、数日連続で食べても飽きが来ないようにしたいからです。
ライスを茹でるときの塩分を抑え、サラダ的にそのまま食べても、グレービーと合わせて白米としての機能も残せないかなと思っています。(文字通り塩梅が難しいですが)
大澤さんのビリヤニは、味が薄いわけではありませんがインド料理店のそれより優しく食べやすいバランス。
中でもライスの塩味を少し控えることで、グレービーと合わせた時との緩急がついてリズム感を生んでいる(気がする)。
ライス塩分控えめがちょうどいい説、立証も近い…か?
憧れをそのままにしないこと
ビリヤニを連呼し続けたこの数ヶ月間、周りからは若干引きの視線を感じることもありますが
一つのテーマを多様な角度から考えてみることで、自分の引き出しが増えていくのを実感するのは面白いものです。
少なくともまだしばらくは、このテーマでわちゃわちゃしたいと思います。
次回は旬のあのお魚を使った宅ヤニレシピです。