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シェルに学んだシナリオプランニングの奥義③:経営層が参加しない時のワークショップの進め方とは
読書ノート(103日目)
さて、本日もこちらの本を
紹介してみます。
シナリオプランニングは
VUCA時代で未来は予測できないものの
想定できるシナリオを複数考えることで
事前に備えておこう、というそんな手法
今日はシナリオプランニングを
進める際の「プランナー役」の仕事
のうちワークショップの事前準備や
経営層からリスク要素のテーマの指示がなく
社内シナリオチームが自分たちで
リスク要素のテーマを考える必要があるとき
のワークショップの進め方の紹介です。
シナリオプランニングのワークショップでは
まずは不確実性×影響度の2軸マップを用意し
経営層インタビューなどから
①シナリオプランニングへの経営層の期待
②自社が考慮すべきリスク要素の収集
をすることがプランナーの役割でした。
そして、①「経営層の期待」は左下に記載し
②リスク要素はポストイットに1つずつ書き出す。
ワークショップを通じて、経営層の方々が
主役となって以下のようなイメージを作れるよう
プランナー側はファシリテートに専念する。
(2軸とポストイットのイメージはこちら)
![](https://assets.st-note.com/img/1678019098878-j8APY4gt6M.jpg?width=1200)
でも、そもそも
その経営層インタビューなどを通じて
どうやって経営層の期待や
リスクを収集するのか?その質問例は?
また、自分たちでシナリオプランニングを
するなら、どのような進め方があるのか?
ということを今回は掘り下げてみます。
・社長に将来への期待や懸念を聞く場合、
自分の内面を振り替えなければ答えられない質問が良い
(質問例)
・「〇〇さんが、若い時から今までのお仕事で、
最も印象に残っているのは、どんな仕事でしたか?」
・「あれば、うまくいかなかったなぁ、と後悔が残っているお仕事は、
どのようなことが思い浮かびますか?」
・「会社はきっと永続します。20年先の御社は、
どんな企業になっているべきでしょうか?」
(もし話すうちに多少親密な雰囲気が出てきたら…)
・「社長は10年先には、きっと引退をしています。
後続社長に、どんなことをやったリーダーとして思い出して
もらいたいでしょうか?」
■ここからは、事前に十分な時間が取れず、経営層に丁寧な
ヒアリングができない場合や、経営層からテーマが与えられず、
社内シナリオチームが自らテーマを探す場合の進め方
・クライアントの現状認識を探るため
「現状を見つめる(Natural agenda)」を
経営戦略に関わるスタッフ5-6名を集めた小グループや、
内輪の関係者のみで実施する。
※「Natural agenda」の文章は以下で紹介します
・自由闊達な心持ちで、めいめいの考える懸念事項を
1人につき5つ以上、黒いマジックペンでポストイットに書く
・そして、懸念事項1つにつき1枚のカードに10字以内の短文で書き込む
・ファシリテーターは全てのカードを「真」として受取り、否定しない
参加者の自由な発想力を妨げないことが大切
・メンバーは画面上のカードに対して、
「それはなぜ起こるのですか?」「その次は何が起こるのですか」
の2つの質問のみが許される
・聞きなれない発想について「そんなこと、あるはずがない」と
即却下をしない
・次第にディスカッションが深化していくうちに、
提出されたカード全体の約半分が却下されていく
・その後、1人5枚ずつ出てきたカードをテーマ別に
クラスタリングしてまとめてみる
・その後、2軸マップにてそれぞれを配置して、全員の合意を取る
・その際の2軸は「影響度」×「不確実性」ではなく
「長期的に重要」×「今、手持ち情報が薄い」に替えておく
・その後、右上に位置する「重要だが情報不足のリスク要素」について
追加調査や追加分析をしていく
前回まではシナリオプランニングは
経営層の参加(特に社長のイニチアチブ)が
必須とのイメージでしたが、
今回は自分たちで進めていく場合を
想定した内容でした。
ワークショップでメンバーに質問をする
核となる「Natural agenda」については
こちらです。
今回はシナリオプランニングのお題が
10年後を見据えた中計作成であり、
この本の出版が2022年なので、
以下のような文章に
なっているのだと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1678020520850-pKNVdMobg4.png?width=1200)
このNatural agendaは一読すると
考えさせられる深みのある文章ですが、
参加メンバーに考えて欲しい、
伝えたい大切なエッセンスって何だろう…?
とふと、気になりました。
これは個人的な見解ですが…
まずは今回ターゲットとする2030年について
・会社が存続し発展している未来を想像し
・その未来で起きた懸念点やチャンスを洗い出し
・想定された懸念点やチャンスに対し、
来年、自分たちは何をすべきかを考えてみる
と、こんな感じでしょうか。
シナリオプランニングって
実際に自分たちで体験してみないと
実感が湧きにくいのも事実ですが…
何とか400ページ以上ある本書を
読み解きながら、お試しで実践できる
レベルまで解像度を上げていきたいと思います。
次回以降は、
・アプローチとフレームワークの選択
・ファシリテーションの技術
あたりを紹介予定です。
それではまたー!😉