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「価値の押しつけ」とならないように。

こんにちは、Tajiyyyです。
保育業界のスタートアップ企業にて、PdM(プロダクトマネージャー)をしております。

プロダクト開発において、何を置いても大切なのは、顧客に「使われる」こと。そして、そのために顧客を「よく知る」ということ。
理想を求めるばかり、最近は基本を忘れかけていました。改めて思い出すためにもこのnoteを書こうと思います。

これから新規事業を取り組まれる方にとっても、「使われる」を目指すペインの超入門編として参考にして頂ければ幸いです。
※特定の参考文献はなく、様々な知識の寄せ集めのため、別の理解があればぜひ教えてください。

■1.顧客に使われなければ始まらない

大前提として、下図の「作れる」領域でしか事業化できず、★領域でしか事業は持続できません。

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では、「儲かる・作れる・使われる」のうち、第一に私たちが意識すべきは何でしょうか?
それは、顧客に「使われる」ことです。

時は遡ることX年、高度経済成長の最中では、作れば売れる時代もあったそうですが、供給過多の現代においては、顧客に「使われる」ことのハードルが上がっています。
この状況において、単に「作れる」モノを作っても、使われず無駄になる場合がほとんど。顧客に「使われる」確度の高いモノを、後から「作れる」か検討すれば良いでしょう。

※ここで指す「作れる」とは、技術的な可否だけを想像しがちですが、「既存リソースの強み,制約」と捉えておくと、後に"ビジネス上の要件"として働くため、事前に整理しておくと良いかもしれません。

また「儲かる」については、「作れる・使われる」を見込めない状況では値決めすらできないため、考えるのは最後です。マネタイズ方法は、これから私も勉強したいと思っているところです。

■2.課題解決型を狙う

顧客に「使われる」を目指すにおいて、新しい領域に事業展開するには大きく分けて2通りのビジネスがあります。
それは、「価値提案型」と「課題解決型」です。

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両者を比較した際、ビジネスとして成功しやすいのは「課題解決型」です。
その理由は、人間は悩みが切実なほど、お金を払ってでも解決したいと考えるからです。この "お金を払ってでも解決したい切実な痛み" を「ペイン」と呼び、ペインの解決を通じてお金を得ることがビジネスとなります。

一方で「価値提案型」の場合は、新しいビジョン,価値観によほど強い共感を得られない限り、浸透させることが難しい印象です。

まさに今私の取り組む "保育所の先生向けプロダクト" においても、この方向性で悩んだ時期がありました。特に教育事業においては、こうあるべき!という理想が掲げられる一方、現場とはギャップがあることもしばしば。
理想的な保育思想のインプットから入った私にとって、インタビュー訪問を通じた現場の実態と、どのようにバランスを取るべきかに苦しみました。
しかし、顧客の共感を得られない価値提案型は、それこそ「価値の押しつけ」となりかねません。
仮に売りたいものが新しい価値だとしても、ビジネスとしては課題解決を謳う方が顧客に受け入れられやすい。認識を改め、現場の先生方のペインを探りました。

■3.課題の深いペインを狙う

さあ、解決すべきペインを見つけよう!と意気込む訳ですが、一概にペインと言っても、より「使われる」に足る "ペインの質" の見極めが重要です。

では、「課題の深いペイン(=お金を払ってでも解決したい、より切実な痛み)」とは、どんなものでしょうか?

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それは、「既にコストを払って対策しており、それでも解消できない不満」です。コストとは、金銭だけでなく、時間的,労力的,精神的なものでも良いでしょう。痛みが強いほど解決したい想いは強く、想いが強いほど対策(コスト)に現れているはず。またコストを大きく払っているほど、より課題の深いペインとも言えます。

そして、現状より低いコストで不満解消できる手段(=新サービス)を提供できれば、顧客はぜひ乗り換えたいと思うでしょう。

このペインを探るにあたり、注視すべきは顧客の行動です。
既にコストを払って対策を取っているか?行動の事実をきちんと確認します。一方で「課題だ」「困ってます」と口で言うだけの事象は、そもそも解決に懸ける想いが弱いため、もし新サービスを提供しても、「お金を払うくらいなら今のままで十分!」と、使われる可能性は低くなります。

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ただ、便利な世の中になったもので、私たちの日常生活は不便の少ないものになりつつあります。(未来の自分が見たらどう思うかな?笑)
"顕在的なペイン" は、既にサービス化されているか、訳ありで解決されていない場合が殆どでしょう。そこで私たちは、"潜在的なペイン" にも目を配らせます。普通という価値観は、環境に依存しやすく、傍から見ると異質なことも。顧客が当たり前と思って取り組むことは、意外と本人がコストと気付いていない場合も多くあります。だからこそ、私たちは顧客の行動を注視し、顧客を「よく知る」ことが大切です。

〜おわりに〜
これまで、
・事業における「使われる」ことの重要性
・「使われる」には課題解決型、課題の深いペインを狙うと良いこと
ことを説明しました。

引き続き、顧客に使われることを目指して、顧客と向き合っていきます。くれぐれも「価値の押しつけ」とならないように。

以上、ありがとうございました!

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