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僕は、父の遺体に頭突きした

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望みもされず生まれてみたら 父は僕が嫌いだった 母を奪ったから 祖祖父を彷彿させるから 父の劣等感や自己肯定感の無さ承認欲求のスイッチを入れまくる 入社2年目事故で脳の一部が…
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絶望と孤独を抱える若者たちとの対話

絶望と孤独を抱える若者たちとの対話

私のもとには、毎日のように相談が寄せられる。20代の女子大学生からは就職活動の悩みを、スタートアップの若手経営者からは事業運営の葛藤を、そして30代のキャリアの転機に立つビジネスパーソンたちからは職場での人間関係や進路の選択について。それぞれが抱える問題は異なるが、共通する感情がある。それは、「孤独」と「不安」だ。

ある日、大学生の彼女が私のもとを訪れた。何度も企業の面接に挑戦してきたものの結果

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背骨とRECARO

背骨とRECARO

事故で引きちぎられそうになった背骨は、いくつもの箇所が潰れ、身体に一瞬で深い傷を刻んだ。背骨の損傷はその瞬間だけに留まらず、今もなお身体全体に影響を与え続けている。

最近は特に具合が悪い。横隔膜が不安定で、息を吸おうとすると胸の奥が詰まったような感覚に襲われる。もしかして、第3頚椎の影響か。事故で負った背骨のダメージが、顔を出して、またしても身体全体のバランスを乱している。

背骨は身体の軸であ

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家族のかたち

家族のかたち

「金を置いて出ていけ」

父は私にそう言った。茨城県東海村の研究所への常駐先が変わると伝えたときのことだ。私の新しい仕事の話をしただけなのに、父の口から出た言葉はそれだった。

「おお…クズだ….やっぱりこいつはクズだ。クズすぎる…」

心の中で呟いた。結局、この人は私にとっての父親ではなく、ただの「クズ」だった。

東海村にいたのは4年ほどだったか。年末年始に実家に帰ることはなかった。いや、帰れ

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全部、全部、全部壊れた

全部、全部、全部壊れた

アクシデント、偶然の人との出会い、そして本との出会い——これらの出来事が人生の軌跡を大きく変える力を持っている。

私はクズ学生だった。父親には望まれない子だった。世間体を気にしてできた子供だと、父は私に直接そう言った。その無神経さは、子供への愛情や思いやりとは無縁だった。父にとって、私はただの「望みもしない余計な荷物」だった。

私への嫌悪、暴力…。家族の中ではそれらの事実は見て見ぬふりをされ、

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障がい者になれなかった僕の居場所

障がい者になれなかった僕の居場所

外傷がない、欠損もない。しかし、知性が壊れている。そして、思うように仕事ができない。そんな状況の中で、なぜ自分の居場所やポジションを守ることができたのか。

それは、専門技術者ゆえの代替の効かなさがあったからでしょう。技術が人に与える唯一無二の価値。それが、壊れた知性と戦う自分を支える最後の砦だった。しかしその一方で、健康で生き生きと成長し、仲間と笑い合い、恋愛や結婚を楽しむ同期たちとは、どんどん

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明確な知性と繊細な感性が追い込むのか・・・

明確な知性と繊細な感性が追い込むのか・・・

その作家さんは、明確な知性と繊細な感性、そして高度な言語能力と表現力を持ちながらも、とても困難な状態にいた。

知性は鋭く、言葉にする力も豊かだった。しかし、それがかえって作家さんを追い詰めてしまったのだろう。彼女は、感じ取ることができる世界の痛みや矛盾、そして表現しきれない深い感情を、そのまま抱え込んでいた。そして、その言葉の一つ一つから、その内面にとてつもない負荷がかかっている様子が伝わってく

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言葉を失ったことがある

言葉を失ったことがある

それは、日常の中で自然と流れ出るものだったはずの言葉が、ある日突然、頭から抜け落ちてしまうような感覚だった。事故で脳を腫らしてしまい、私は自分の多くの言葉を、そして知性の大部分を失ってしまった。考えることが難しくなり、日常生活を回すのにやっとの知性しか持ち合わせていなかった。そのときの私は、世界と自分を繋ぐ糸が切れてしまったような気がしていた。

だが、物事の流れとは面白いもので、時にその人を背中

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障がい者になれず選んだこと

障がい者になれず選んだこと

24で事故 脳 頸髄損傷 胸椎 腰椎 メタメタ
右半身麻痺 
当時の医療では障がい者認定には該当せず

もうろうとしながら社会ー会社にしがみつき
30才 の偶然の出会いで人生は変わる
特許発明 ビジネス開発
海外営業
もうろうとしながら、体力任せに世界中を飛び回った

そこで生み出されたのは
グローバル商品
グループ企業
事業譲受
NPV 4000億円以上 
評価報酬は 左遷 誹謗中傷

今なら 

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僕は、ある作家を追い始めた

僕は、ある作家を追い始めた

その作家さんは、明確な知性と繊細な感性、そして高度な言語能力と表現力を持ちながらも、とても困難な状態にいた。

知性は鋭く、言葉にする力も豊かだった。しかし、それがかえって作家さんを追い詰めてしまったのだろう。彼女は、感じ取ることができる世界の痛みや矛盾、そして表現しきれない深い感情を、そのまま抱え込んでいた。そして、その言葉の一つ一つから、その内面にとてつもない負荷がかかっている様子が伝わってく

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