精神安定剤(抗不安薬)について考える。
こんにちは、たいしです。
私は会社員ですが、一応薬剤師免許を持っています。
臨床で学んでいないので、現役の薬剤師さんと比べたら知識はありませんが、それでも薬の機序や取扱について情報をお伝えすることはできます。
薬って、学んでいない方からすると「怖さ」があると思うんです。それってある意味当然で、身体に影響を与えるものを入れて、偏ったバランスを元に戻そうとするのが治療なので、使い方を間違えてしまうと、薬は毒になり得ます。
だから薬を飲むな!というのは暴論なので論外として、自分に取ってより良いバランスになるように、薬を理解して付き合っていくのが適切な治療法と思います。
本日はその中でも、不安を抱えながら飲んでいる方の多い抗不安薬についてご紹介したいと思います。
なお、病院薬剤師の友人がnoteをやっており、精神科の薬剤について情報発信をしているので、以下貼り付けておきます。
より臨床に近い情報が得られるのではと思います。
◆精神安定剤(抗不安薬)とは
不安、緊張、恐怖、焦燥などに対して、精神科・心療内科で処方される薬剤です。精神安定剤には大きく分けて2種類、マイナートランキライザーとメジャートランキライザーがあります。
○マイナートランキライザー:比較的軽度な不安の緩和や、気分を落ち着かせる用途で使われる薬
○メジャートランキライザー:統合失調症やアルコール依存症で用いられる、極度の不安を取り除く薬
一般的に”精神安定剤”と言われる場合、マイナートランキライザーを指すことが多いので、本記事ではこちらについてご紹介させていただきます。
◆マイナートランキライザーの薬効
マイナートランキライザーは、身体を興奮させる神経伝達系をクールダウンさせて、精神と身体をリラックスさせます。その度合いによって抗不安薬と睡眠導入剤に分けられます。
使用される薬剤の多くが「ベンゾジアゼピン系」に分類されるもので、その中でも特に「デパス(エチゾラム)」は幅広く使われています。
根本から疾患を治す薬剤というよりは、抗炎症剤のように症状に対してアプローチする「対症療法」と言えます。
◆マイナートランキライザーの問題点
薬にはメリットもあれば、必ずデメリットも存在します。マイナートランキライザーは特に、デメリットが問題視されている薬剤の一種です。
最も重要視すべきは、”依存性”です。
依存性には、不安感やイライラ、不眠などが現れる精神的依存と、発汗や手足の痺れなどが見られる身体的依存があります。
実は、海外ではこれらの薬剤の処方期間が厳しく規制されていることが多く、国によっては1-2週間の処方とされています。一方日本は規制が緩い傾向にあり、連続で処方されること自体にも規制がないです。
しかし、依存はおよそ2週間〜4ヶ月で形成されるとされており、保険適応の範囲内での使用でも、常用量依存が形成されてしまう恐れがあります。
医師の処方した睡眠薬や抗不安薬に対する依存が長期に形成されている状態は、処方薬依存症と呼ばれています。
◆処方薬依存症の対処法
”依存”という言葉を使ってしまうと、実際に薬剤を使用されている方はびっくりしてしまうかもしれません。意図せず脅す形になっておりましたらすみません。
しかし、数週間以上マイナートランキライザーを使用された方が急に薬剤を中止すると、離脱症状が起こる可能性が非常に高いです。何度も脅すようで恐縮ですが、急な中断・中止は危険なので、ご念頭に置いてください。
薬剤を長期で使用されている方は、担当医と薬剤の減量についてご相談されたり、他の薬剤に徐々に置き換えていくことを検討したり、依存症を専門としている医師に罹ることをご検討ください。
処方薬依存症の回復を支援するためのプログラムを実施している団体もありますので、医師と相談の上、参加してみるのも良い方法かと思います。
◆最後に。
「薬剤をやめること」に注力してしまうと、根本の理由が解決されないままとなってしまいます。
みなさんが抱えている不安はなんでしょうか。それを解決するためには、あるいは解決できなくてもみなさんが少しでも楽になる方法は、なにかあるでしょうか。
現実を、或いは現実を受け入れる自分自身を少しずつ変えていくことで、もしかしたら薬の量を減らすことに繋がるかもしれません。
担当医と相談をして、家族など自分を支えてくれる人にゆっくりと理解を仰ぎながら、少しずつ薬から離れていけることを願っています。
私にできることは少ないですが、毎日記事を作るので、どうしても辛くなったら見に来てください。少しでも気晴らしになれればいいなと思いながら、記事を書いていきます。
★とのむら のりこ(受動型ASD育児中)さん
受動型ASDのお子様と、アスペルガーと診断された旦那様との生活をnoteに綴ってらっしゃいます。
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