ゼロからのHACCP構築 ~低コスト、外部コンサル不要、そのノウハウ教えます~「#4 点検表の運用」
Tail Shapeです。今回も、仕事の話。
前回までのおさらい
●5Sの活動⇒整理、整頓、清潔、清掃、習慣(躾)
まずは、「設備の記帳」
作業場の中のすべてのものを記帳し、運用状況を確認する
「設備の記帳」が終わった後は、点検表の運用です。
記帳したすべての設備について、点検項目を設定し管理していきます。
まずは、点検表の種類について説明していきたいと思います。
点検表の種類について
①保守点検
②清掃点検
③使用前点検
④終了点検
⑤校正点検
①保守点検
目的;機械の保守に関する重要な箇所を管理
頻度;中長期【毎月、年数回】
例)オイルの補充、消耗部品(パッキンなど)の交換、など
この保守点検を忘れると、機械が長持ちしなくなる、機械が故障してしまうといった箇所について管理します。場合によっては、外部業者によるオーバーホールと合わせて管理します。
②清掃点検
目的;衛生的な作業環境の確認
頻度;短期【毎日、週一、月数回】
例)器具、設備、作業場所、空調の清掃状態を確認
食品衛生管理では、「清潔な作業場所で、清潔な器具を用いて作業」することが重要です。清潔な環境で作業出来ているかの確認は、HACCPの管理を行う上で、「大前提」となります。
のちのち解説しますが、「衛生的である」の証明って難しいです。清掃状況の確認は、作業環境や作業者の菌検査、ATPによる有機物の残存検査も並行して行われます。(HACCPのPRPにも絡んできますが、衛生ロジックの組み立て方は後で解説します。)
③使用前点検
目的;作業前に機器に不備が無いか確認
頻度;短期(毎日、作業前)
例)スライサーの刃こぼれ、機器の汚れの有無
衛生面、安全面、に関して作業する前に確認します。上の①②の2つの点検で、中長期的に管理していますが、使用する前にも確認します。
①②③の点検が機能している場合、
先月の①保守点検で問題なし、
先週の②清掃点検では汚れの報告があり修繕済み、
今日の③使用前点検で再度確認し不備があったので使用を中止、
といった形で、リスクを回避することができます。
実際使用する直前になって、「この機械を使えない!、仕事にならない!」なんてトラブル皆さんの職場でもよくあるのではないでしょうか…。
④終了点検
目的;作業後の機器の不備を確認
頻度;短期(毎日、作業前)
例)スライサーの刃こぼれ、機器の汚れの有無
使用前の点検と項目は似ています。作業中に機械の一部が破損(プラスチック、金属片など)し、そのままお客様へ提供してしまえば、「食品事故」「回収事故」になってしまいます。作業後に点検を行い作業中の不備を確認する、重要な管理点です。
また、ここで発見された異物や問題点は、必ず保管し、記録しておきましょう。(商品回収、食品事故についても後々解説します。)
⑤校正点検
目的;①~④の点検項目、及び作業の妥当性を確認
頻度;長期(年数回)
例)温度計の校正、水質の確認など
ここまで、いろいろと確認してきましたが、
「その点検に、妥当性はありますか?」
・加熱殺菌の温度記録をとっています
⇒温度計の温度表示がずれていた。
・毎日水質チェックしてます!
⇒pHメーターの機械の校正がされていない。 など
毎日の点検は、「有効的かつ妥当性のあるもの」
であるため機械機器の校正が必要です。
(妥当性、有効性の考え方は、またあとで詳しく…)
今回は、点検表の運用について説明してきました。
(私達がここまで運用するのに3か月程かかりました…。)
①~⑤に当てはまらない点検表もあります。(出荷検品の記録、入荷の記録など)会社の形態に合わせて適切に機能させていきましょう。
環境整備のは、継続的に永久に続きます。
事故があった、作業者の気づきがあった、などなど、
運用する中で改善していくのが大切です。
次は、食品安全チームの結成!!。HACCPの構築が始まります!!
ここまでお付き合い頂き有り難うございます。
宜しければまたどうぞお願い致します。
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