みんな地球に生きるひと【随想】
2022年11月4日~6日、知的障害者である息子がスペシャルオリンピックス日本 夏季ナショナルゲーム・広島に出場したので、応援に行きました。
もう成人している息子は重度の知的障害者で、B型作業所で働く傍ら、中学生の頃から地元の「スペシャルオリンピックス」の陸上プログラムに参加し、月に2回、練習に通っています。絵や音楽などの才能はなく、特に趣味と言えるものもない息子は、身体を動かすことは好きらしく陸上は続けており、有難いことに近年は夫がコーチクリニックを受講し、ファミリーコーチとして練習に付き添ってくれています。
スペシャルオリンピックスについての説明はこちら。
今回は中距離走に出場。
キツイと言われる中距離走ですが、息子はスタートの時のピストル音に一瞬ビクッと止まってしまうので、短距離走よりも中~長距離走の方がまだよいのです。タイムは遅いのですが、スペシャルオリンピックスは「ディビジョニング」という年齢・性別・競技習熟度・タイムによる班分けがあり、ディビジョニング次第ではメダルも狙えます。
会場は広島市のエディオンスタジアム。
息子とファミリーコーチである夫は選手団として会場近くの宿舎に入るので、私は別に広島駅近くにホテルをとり、当日はアストラムラインで移動。これがなかなか時間がかかり大変でした。
(都合により私は4日夜に広島入りしたため、開会式は観覧せず。)
5日は予選。大きな電光掲示板には名前と所属、走行後はタイムがでます。
この日はやや曇り空で寒いのに、息子に持たせていたウインドブレーカーを夫が着せておらず(怒)。本人はあまり衣類の調節ができないのですよね。気にかけておかないと・・。
息子には暫く私の上着を着せていたので私は冷えに冷え、ホテルに戻ってから少し具合が悪くなり、どこも出る気がせず殆ど寝ていました。
6日は決勝。前日のタイムによるディビジョニング(班分け)で息子の班は
2人だと判明し、金・銀どちらかのメダルは取れることがわかりました。
そして、決勝で金メダル!パチパチ・・
帰りの便の都合で、私は先に移動。息子たちは表彰式の後、速攻で移動し帰路についたそうです。
大会に参加してまず思ったのは、とにかくたくさんの方々が関わって下さったこと。大会会長の有森裕子さんをはじめ、開会式にもたくさんの方々が駆けつけて下さったそうで、感動の開会式だったそうです。ありがとうございます。
もちろんそれも嬉しいのですが、競技会場にいて何より嬉しかったのは、選手(アスリート)、コーチ、スタッフが一丸となって大会を創り上げていく姿。そこには障害者、健常者(あまり好まない言い方ですが、他に適切な言葉もなく・・)の区別はなく「ともに生きる仲間」としての姿があるように思いました。
また息子に関して言えば、応援する私の隣で、違う県の全く知らないコーチとおぼしき人が一緒に声を出し応援して下さったこと。
走り終えた息子の、また少しだけ成長したのかキリリともみえる横顔。
何だかとても感動しました。
息子には知的障害があるけれど、ずっと家族の一人として当たり前に(もちろん困難なことはイロイロとありますし、支援も必要ですが)接してきました。
「共生社会」なんて難しい言葉は使わなくていい。
となりに障害のある人がいてもいいんだよ、子どもも、お年寄りも、「みんな地球に生きるひと」なのだから。
そんな社会が到来しつつある、到来すればいいな、否、そんな社会がホントに到来しつつあるのかも?と、そんな明るい希望を感じた大会でした。
大会に際しましてお世話になった皆様方、本当にありがとうございました。
息子の障害について書いた記事はこちら。
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