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うつ病で会社辞めて、フリーランスになってみた

2018年4月
うつ病で会社辞めました。

リハビリ専門病院に勤務。
患者さんを支える立場の作業療法士が、
気づいたら患者になっていました。


中途半端にやるなら触らないでくれ!!! (by 80代男性患者)

そもそもの始まりはこの一言。

※イメージ(画像生成AI)


大学を卒業して11年目の秋。
老人ホームから転職して間もない頃。

勝手の違うルール、覚えるべきたくさんの仕事。不慣れな環境で、与えられた仕事を精いっぱいこなす日々を送っていました。


新入社員。とは言ってもキャリア11年目。

「もっと頑張らないと!」

心の声に、気持ちが追い込まれていました。

弱さを見せたくないからまわりに相談できず。仕事の失敗をきっかけに、
先輩からは皮肉や嫌味を言われる始末で。

もういっぱいいっぱい


そこへきて冒頭の一言。

リハビリのやり方が合わなかったのか、
怒鳴る患者さん。

「中途半端にやるなら触らないでくれ!!!」

これがトリガーとなり、
心が折れました。


それからです。
悲観的なことばかり考えるようになりました。


活気あふれる職場が…

↓↓↓こう見えるように。


そのあとはお察しの通り。

精神科では「うつ病」と診断され。しばらくしてから休職しました。

けれど体調は戻らず。一旦復職したものの、半日勤務さえ難しくて。ほどなくして会社辞めました。


だけど、ゆっくり休んでもいられなくって

住宅ローン、生活費、子どもの教育費等々。家族が働いていても、のんびり暮らせるほど余裕なく。

とはいえ、頑張れる気もしなくって

不安定な体調で、働く自信もない。

こんな状態だったから「会社で働く=体調を悪化させに行く」ようにしか思えませんでした。

「就労移行支援に通う」という選択肢もありましたが、なんかそこじゃないような気がして。



このあたり。四の五の考えていたことをフローチャートにしてみました。ご参考まで。

ご覧のように、僕の場合は、
自分の「希望」と「できないこと」を選んでいったらフリーランスが残りました

『フリーランスなんてかっこいいですね!』
⇒違います、違います。それを選ぶほかなかったんです。


で、働き方が決まったら

フリーランスか。何しよ・・・

ってなりました。そう、職業選択。

さぁ、困ったぞ、ということで

「どんなことならできそうか」

まずは、仕事につながりそうなことをリストアップしてみたんです。


こんな感じで。

仕事につながりそうなことをリストアップ


そこから、「自分にできそうなこと」を選択したら、、、

自分にできそうなことを選択


結果、「文章を書く」仕事(webライター)に行きつきました。

もともと趣味でブログを書いていたので(1日数人も読まないショボいやつ。ほんとショボいやつです。)文章を書くことだけはほんの少し自信があったんです。


いまは何でも仕事になる時代じゃないですか。

ちょっと好き
・どちらかというと得意かも
・少し経験がある

こういうことが、仕事を見つける手がかりになるんじゃないかな。


やる仕事が決まったら、次は

でググりました。

「何をやるか?」は自分で考える必要がありましたが。「どのようにやるか?」はグーグル先生が全て教えてくれました。


それで出会ったのが「クラウドソーシング」です。

※クラウドソーシング
企業・個人が不特定多数の人に仕事を依頼すること。オンラインで完結できる仕事が多い。文章作成・データ入力・イラスト・事務等、仕事はいろいろ。代表的なものにクラウドワークスやランサーズがある。

「これしかない!!」と思いました。

すぐ「ランサーズ」に登録してライティングの仕事に応募。

※ランサーズとクラウドワークス
ビギナーには大きな違いありません。両方利用するのもあり。
どちらも利用:より多くの仕事に出会える
どちらか利用:実績数が集約され実績を数字でアピールしやすくなる

はじめての仕事は【プロポーズ体験を記事にする】というものでした(たしか)。

はじめての仕事

安すぎる報酬はさておき。ゆったりした提出期限(納期)のお陰でゆとりを持って完遂。依頼主も「内容もとてもよく修正いただく箇所もございません」と。

もちろん、それも嬉しかったんですけど、

自分の力で500円稼げた!

これです。「成功体験」が失った自信を呼び戻してくれました。自分のペースでゆっくりなら働けると確信。


そこからは快調に、、、

とはいかなかったんですね。残念ながら。

フリーランスになれた。仕事もできた。
でも体調が不安定だから平均2~3時間/日しか働けない。

回復期特有の「症状の波」ってやつ

これに悩まされました。

うんざりしますが、これはうまく付き合うほかないようです。主治医も。参考書も。大学教授の論文も。言うことは同じ。

調子が良くなったり悪くなったりを繰り返し、徐々に回復していきます。

そういうもんみたいです。なら抗っても仕方ないですよね。

ひとまず、働ければいっか

開き直ることにしました。


当時の暮らしぶりです。

働く時間帯・時間数は日によりバラバラ

メインは家事と静養。

暇つぶしに仕事やる

くらいの心構えだと楽でした。

あと、良かったのは「自分ルール」を作ったこと。

① 納期に余裕のある仕事を選ぶ
② 業務量の少ない仕事を選ぶ
③ 仕事より体調を優先する

これのお陰で、大きく体調を崩さず、取引先に迷惑をかけず働くことができました。


無理せず、ゆっくり、着実

のスモールステップで。1年目は小遣い程度。2・3年目は妻の扶養内で。

4年目、寛解レベルになってから、住宅ローンと生活費等が払えるように。

※寛解
うつ病の症状や兆候が2ヵ月間認められない状態。

坪井康次|患者のための最新医学 うつ病

時間かかりましたが。少しずつ仕事量と収入をアップさせることができました。

※※※イメージ※※※

僕の場合は寛解まで4年かかりました。

このあたりは、個人差大きいと思うのでご参考まで。

就業不能に一度もならなかった

これだけは強調したい。


通院治療終了。いまは家族も増え。フリーランスで主夫という、全く違うライフスタイルで生活しています



こういう話すると

「フリーランスいいじゃん」

ってすぐなっちゃいますよね。なので、なってみてわかったサラリーマンとの違いもお伝えしておきます。

一概には言えないけれども

制約が多いけど、待遇良く万一に強いのがサラリーマン。

とにかく自由、それゆえに何でもしなければならないのがフリーランス

そんなところでしょうか。

こういう違いを踏まえた上で、自分に合った働き方を選んだほうがいい。

なってみて、そう思いました。


結びに

同じ病気の当事者として伝えられることは何か。ない頭を絞ったら、会社辞めてからの約6年間を書いていました。

これからの働き方、生き方を考えるのに、少しでも役に立てばと。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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tagu|webライター
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