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【日記】菜箸を伸ばす日


唐揚げやったんですよ。

肉漬けて、粉まぶして、

そこまではいいんですけど、

揚げんのがめんどくさいんですよね。


生の肉を油に突っ込み、タイミングを見計らって上げる。

ほんとは突っ込む箸と上げる箸は別々の方がいいんですよね、衛生的には。

どうせ180℃の油に突っ込むんだから問題ないとタカを括ってますけど。


心を無にしてガンガン揚げてたら、

ふと気付いたんですよ。


なんか、菜箸の先端が丸くなってるって。


衣纏ってる肉をつまんで箸も一緒に油に入れてるから、

箸の先端に衣がついて揚がっちゃってるんですよ。


あぁそうか、

コレを防ぐためにも箸を分けなきゃいけないのか。

…でも分けないけど。


昔、こんな短歌を聞いたことがありまして。


長年のうちに短くなりし分
われらは食みしやこの擂粉木(すりこぎ)を

安立 スハル


木製のすりこぎって、

食材をゴリゴリ削る時に自分もちょっと削れてるんですよ。

すりこぎが短くなったのを見て、

『この短くなった分、料理に混ざって食べちゃってんだなぁ…』

ってことに気付いた、という話。


すりこぎとは逆で、

菜箸は揚げ物に使えば使うほど伸びるんですよ。

衣の分継ぎ足されていくんで。


しかもこれがガッチリ固まっちゃって

取れないのなんのって。

もう物質として一つのモノになっちゃってる


菜箸の
衣で長くなりし分
われらは食みしや多々揚げ物を

唯坂 優


本歌取りです。

『菜箸が長くなってきたなぁ』と思ったら、

その分摂取してきた油物の量に慄けという、

戒めを込めた歌ですね。


皆さんも、

菜箸が伸びてきたら警戒してください。


以上です。

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