【料理】ロジカル和食 前田 量子/著
この本は数年前に自炊を始める息子にプレゼントするつもりで買いました。
齢六十余で今更…
と我ながら情けないですが、料理の味が決まりません…
近頃はあれこれ合わせなくても味が決まる調味料もありますし、とても美味しくできるので特に困りはしません。
ところが先日、帰省した次男に筑前煮をリクエストされて、はて?
レシピを見ないと作れない!
夫が好まないので滅多に作らないのもありますが、必要なときその場しのぎで数十年やり過ごしてきました。
今日は失敗できませんわよ?
台所の引き出しに仕舞い込んだこの本を思い出し目次を見ると、ありました、筑前煮。
タイトルが示すように料理が美味しくできる理屈が、それぞれの食材や調味料の特性を軸に解説されています。
味は好みがあるので絶対ではあらねど、大きな間違いは起こらない…と思います。
調味料を入れるタイミングが、さ(砂糖)し(塩)す(酢)せ(醤油)そ(味噌)くらいは一応知ってはいますが、卵焼きを作るのに、卵の黄身と白身では凝固する温度が異なる…とか、加熱すると水分が蒸発するから水を入れるだなんて、考えたことがありませんでした。
私はロジカルな人間ではありませんが、勘も鈍いので、どちらかと言えば決まり通りにやる方が間違いがありません。
決まったパターンを土台にするパッチワークを好みのものおそらくそれ故に思います。
なぜそうするのか、理屈がわかっているとそれを省略したり破る気はしないものです。
失敗するのがわかりきっているので。
もちろん、理屈を理解した上でアレンジするのはありでしょうが。
筑前煮は息子たちに好評でした。
根菜を下茹でする時間や肉を炒める時間を1分、2分と(理由も含めて)具体的に書かれており、わかりやすいです。
これまで炒めた具材を一気に煮ていましたが、鶏肉は先に炒めて取り出しておいて、最後に醤油を加えるときに戻したので柔らかくふっくらと仕上がりました。
筑前煮の他に、かぼちゃの煮物と卵焼きを書いてある通りに作りました。
さぞかし文字の多い読みづらい本に思われるかもしれませんが、先に食材や調味料の特性など写真入りでコンパクトに解説したページがあり、作り方は改ページ見開きで数行の箇条書き、写真の図解が一条ごと縦にレイアウトされています。
理屈を頭に入れてイメージを膨らませてから実践にかかるレイアウトは使いやすいです。
材料やレシピとコツのようなのが混在して書かれていたり、レシピの途中で写真が入ってあれこれ解説されていると、本を読みながら作ることになるので、タイミング外します。
同じ理由でレシピ動画苦手なのですけど。
他にもローストビーフや鯵の南蛮漬けなど、作るたびに味や出来栄えが違ってしまう定番料理を試して、ぜひモノにしたいです。