千代谷 忠成

1941海軍兵学校卒(第70期) 1941/10/15 少尉候補生。那珂乗員(比島、ボルネオ上陸作戦、スラバヤ沖海戦) 1942/6/17 少尉 1942/7/14-1943/5/15 愛宕乗員(ガダルカナル諸作戦、第三次ソロモン海戦) 病を得て退艦、爾後陸上勤務。終戦時海軍大尉

千代谷 忠成

1941海軍兵学校卒(第70期) 1941/10/15 少尉候補生。那珂乗員(比島、ボルネオ上陸作戦、スラバヤ沖海戦) 1942/6/17 少尉 1942/7/14-1943/5/15 愛宕乗員(ガダルカナル諸作戦、第三次ソロモン海戦) 病を得て退艦、爾後陸上勤務。終戦時海軍大尉

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          はじめに 第1章 危機線上のガ島基地 ヘンダーソン基地*1はなおも悲鳴をあげねばならなかった。八艦隊*2のつぎには前進部隊が登場した。 1.火弾の雨 ガ島*3の第二次総攻撃*4は、わが連合艦隊*5の強力な支援のもとに実施されたが、無念にも失敗に終った。わが愛宕*6は、第二次ソロモン海戦*7に支那部隊*8旗艦として出撃していたが、総攻撃失敗の満たされぬ思いのうちにトラック*9に帰投した。 ガ島の奪回は容易ではない。本腰をいれて攻撃する要がある。陸軍の数コ師団を送りこ

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