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只見線のあるまちにて2023/03/10

はい、今日の天気予報は当たったと認めざるをえないようです。
お昼に起き、病院に行く準備をして自転車に乗って出かけると、パラパラと雨が降ってきたのです。
自分はスマホの天気アプリを二つ使っていて、都合のいいほうの情報を信じるようにしてるのですが、今日は裏目に出てしまったようです。
でも、只見線の写真は撮ってきたのです。
枚数があるので早速本文に入りたいと思います。
それでは、いつも通り生暖かく見てやってください。


・農サイド@会津高田駅・会津本郷駅(2023/03/10)

病院で予約を済ませると、すぐに会津高田駅へと向かったのです。今日も何か変わったところはないか慎重に見ていったのですが、これと言って変わったところもなく、今日もいつもの記録写真だなと一人ぶつくさと言いながら駅舎を撮ることにしたのです。
毎回楽しみにしている『男はつらいよ』の看板を、なんの疑問もなく今日も写真に撮ります。もう、いい加減飽きてもいい頃なのですが、どうにも渥美清さんが「よく来たな」と言ってるところを見ると「今日も来たよ」と返事をしたくなるのです。
会津高田駅のそばに農協の倉庫があります。それを駅舎のワンマンのプレートと一緒に撮りたくなったのは、最近動画で田植え機をラジコンで操縦しているのを見たからなのです。なにやら、そうすると一人で田植えをこなせるようで、それもある意味ワンマンだなと思いついたのです。
前に僕はカメラの設定は梅佳代大先生の使っていらっしゃるPモード(プロフェッショナルモードではなくプログラムモード、つまり自動モード)で撮ると書いたことがあるのですが、さすがにそうじゃないときもあるのと、レンズの収差を試して遊んでみたりすることもあるのです。
少しばかり早く駅に着いたせいか只見線はまだ来ません。駅舎の中で待っているとひとりのお母さんがいらっしゃったのです。どこまで行かれるんですかとか、大俵引きの話をしたりして、緊張がほぐれたところで一枚いいですかと頼んだところ、快く引き受けて下さったのです。
お母さんとの話を終えるとホームに出て何か変わったものはないか探してみます。そうすると自分と入れ替わりに若者が駅舎の中にやって来たのです。窓越し撮ると奥に伊佐須美神社のお田植まつりの看板が見えます。若者はレンズに気づいたかもしれないのですが、そのまま撮ったのです。
ホームをぶらぶらしているとようやく遠くから只見線の汽笛が聞こえてきます。僕は最近覚えた列車が通過するとき腕を上げるという合図を試してみたくなり、片手でカメラを持ちながら左腕を上げると、只見線の運転手さんは汽笛で合図に返してくれたようなのです。
ホームに只見線が止まると、思ったより先のほうまで進んでしまい、おっとっとと後ろに下がる僕がいます。会津高田駅はワンマンでも前後2両ともドアが開くようなのですが、さっき話をしたお母さんはどこから乗るのか迷っているのがレンズ越しに見えたのです。
行先表示は只見ということで、まだ県境を越えることは出来ないようなのです。風の噂ではキハ40カラーのキハ110は新潟側にいるとのことらしいのですが、今、目の前を通過していったキハ120は国鉄色が連結されていて、これは当分新潟側には行かないんだろうなと思ったのです。
会津高田駅で下り列車を撮り終えると、今度は会津本郷駅で上り列車を待つことにします。駅前の御神田のところを曲がると、今さっきまで只見線に乗っていたであろう高校生が歩いています。3年生は卒業式が終わったけど、在校生はこんな早い時間に帰るものなのか気になったのです。
いつもなら後庵の踏切で只見線を待ってもいいのですが、道路の水道管の工事をしているらしく重機が入っていて通行できません。そこで一本隣の道を入っていくと、10年前にも撮った軽のFRターボというノスタルジックヒーローなミニカの廃車に出会えてうれしくなったのです。
結局、後庵の踏切で撮ることは諦め会津本郷駅へと向かったのですが、農道にも雪はなく躊躇なく田んぼの中を走る道を自転車で進みます。でも、やっぱり気になるのはいつもの踏切で、ここ松原踏切の「軽・小型特殊を除く」の標識を撮らずにはいられないのです。
日本の国鳥はと聞かれれば多くの人はトキやツルを思い浮かべると思うのですが、残念ながらハズレです。線路わきを走っていると向こう側にチョロチョロ走っている姿が見えるのが国鳥です。そうです、あのなんとも人を小ばかにしたように走り回るキジが国鳥なのです。
キジをしばらく追いかけた後、諦めて会津本郷駅へと向かいます。会津本郷駅の駅舎は会津高田駅や新鶴駅のそれと同じもののようなのですが、ここ会津本郷駅は外装に町の花や木や鳥などが書かれたプレートや本郷焼を埋めてあるのが特徴的なのです。
正直に言えば家に帰ってからパソコンで見て気づいたのですが、いたずらされていた駅名標がきれいに修復されています。ここの下には、また地元の子供が育てたチューリップやらなにやらのカウンターが並ぶ日が来るのも、そう遠くはないようです。
会津本郷駅のホームで今年はなんの花が育てられるのだろうか考えていると、会津高田駅の方からカンカンカンと踏切の音がかすかに聞こえてきます。あっ、またキハ120だ、そう気づくとなぜだかうれしくなって、早く連結している車両がなにかを見たいなと思ったのです。
会津本郷駅に到着した只見線は、会津高田駅とは違って前の車両のドアしか開かないようです。学ランの制服で男子生徒がぞろぞろと降りて行きます。おそらく会津農林の生徒だと思われるのですが、逆にこの駅から乗る女子生徒がいるのが気になったのです。
キハ40からキハ120に置き換えられて、早くも3年が経つのですが、すでに鉄部分が錆びているのに気づいたのです。3年なんて言ったら中高生が入学して卒業する時間なのですが、あまりにも時間が過ぎるのは早いもんだなと思うのです。
男子生徒が降りるのを待っていた女子生徒が無事乗車すると只見線は発車します。キハ120になっても車両上部の煙突からもくもくと煙を吐き出します。遠くに見える最新のIT工場とは接点などないだろうほどに、只見線の時間は止まっているのです。
只見線の撮影を終え、病院へと戻ろうとすると、今の只見線に乗って来たであろう男子生徒が自転車に乗って前を走っていきます。そこのわきの水路には夏になるとホタルが出るんだよ・・・そんなことを伝えたい気持ちでいっぱいだったのですが、ただ見送るだけにしたのです。


今日はここまでです。
それにしても困ったものですね只見線の県越えができない問題は。
せっかく全線復旧したのだから走らせてあげたいというのが正直な気持ちなのでしょうが、落雪に巻き込まれたら困るというのも確かです。
昔ってどうだったかなと思い返してみるのですが、あまり気にかけてなかったというのが正直なところです。
さて、3000文字近くなってしまったので、そろそろ終わることにします。
それではまた。

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