〈39〉Nさんの大根は不細工でもおいしい/最後は干し大根のはりはり漬けで完食!
しっぽの生えた大根ができてしまった…
Nさん(オット)は毎年冬に家庭菜園で大根を育てる。大根に限った話ではないだろうが、土づくりがカギで、十分な栄養とふかふかの土壌がないとうまく育たないらしい。昨年の10月に植えた大根は旬の1月を過ぎても、上から見る限り明らかに首が細い。葉は見事に茂っているが、白い首がほっそり。Nさんが「もう少し大きくなるまで採らないで!」と言うので待っていたが、とうとう春になってしまった。私が「もう大根に菜の花が咲いちゃうよ」「これ以上待つとスジだらけで固くなって美味しくないよ」とおどしたら、ようやく収穫のお許しが出た。で、引き抜いてみると案の定「アレレレ」だった。上は太いけど短い。お尻の先にネズミのしっぽのような細く長い部分がある。本来そのしっぽの部分まで太く育てば立派な大根になるらしい。Nさんそれをジッと待っていたようだ。でも、結局は待てど暮らせど太くはならなかった。天候不順のせいかなぁ。日当たりの悪い場所に植えたしね。いつもなら美味しくいただける葉っぱも今年は硬くて、油揚げと一緒に炒め物にしてみたけれど美味しくなかった。残念。
結局、畑に残っている大根を全部引き抜いて食べることにした。
毎日おろし大根、余ったら干し大根
それからは、毎日朝ごはんに大根おろし!ちりめんじゃこと和えて、お醤油をタラっとかけると、すっごく美味しい!夕飯には、大根とイカの煮物にしたり、豚バラブロックと一緒にアメ色に炒め煮したりしていただいた。
でも、うちの大根はなぜか苦い。Nさんは「土壌の性質がウンヌン」と説明してくれるが、ちんぷんかんぷん。私は苦味も好きだし、こんなに新鮮な大根に文句はない。毎日でも全然平気だ。
せっせと食べても、20本近い大根を夫婦二人ではとうてい食べきれない。近所に配るほどには出来が良くないし…。
そこで余った大根を、Nさんはせっせと短冊切りにして外に干した。風に当てるとあっという間に乾いて小さく縮む。生だと大量に見えても、干し大根になればカサが減って両手に乗るくらいに小さく軽くなる。
でも、干し大根なら保存が効くし、はりはり漬けもできるし、干し椎茸やかまぼこと合わせて煮物にしてもいい。大根は小さな間引き菜の時から大きく育ったものまで、いつでもずっと美味しい野菜なのだ。