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プロダクト指標、活きてますか? - KPIとNSMと私

今日のテーマ

今のプロダクト指標、活きていますか?


これが今日のテーマです。

指標の定め方はプロダクトマネージャーの腕の見せ所といっても過言ではないと感じています。それがNSM(※)であっても、KPIであっても、指標を定めない選択をしたとしても。 
※NSM:North Star Metric :顧客体験をベースにした、プロダクトの長期的な成長を測るための指標

私はプロダクトを運営しているのですが、指標の使い方も日々試行錯誤しています。今日はその試行錯誤というか少し失敗たちを共有したい気持ちで筆を取りました。


もちろん私の経験は正解を語れるほど豊かでもなく、あくまで私のイチ経験談として書いていきたいと思います。とりわけ、B2B・Vertical SaaSの特徴であると私自身は感じているところも多いです。

その上で少しでもみなさんの気づき・お役に立てたらとても嬉しいです。

指標が活きる3つの形

私が考えている指標が活きる形が3つあります。

  1. 芯をくった最強の指標を作る

  2. ステークホルダーにあわせる自分のチームが活動しやすい・解釈しやすい指標に変換する

  3. いいからやろうぜ

みなさんやみなさんの組織はどの運営が好きですか?得意ですか?

1. 芯をくった最強の指標を作る


指標を考える前に、それを運営できる戦略や組織なのか?
をまず目を向ける事が大事です。

- 複合的な、もしくは、総花的な戦略になっていないか
- サイロ化した組織になっていないか?
- ステークホルダー含めて情報流通は良好な状態か


これらはまさに私がぶつかった失敗たち。これらがない状態で最高の指標が見つかった!!!!と思っても無用の長物。

B2BのSaaSはビジネスを成立させる関係者が多くなりがち。Verticalならなおのこと。

最強の指標を作ること自体の難しさも、B2B SaaSにはあると思います。
彼らも喜ぶ指標にしなければ意味がなく
彼らも喜ぶ指標はプロダクトの日々の活動には遠すぎる

逆にいうと、プロダクト開発者全員が事業を理解するのはかなり難しい。
だからこそプロダクトの活動において、SMARTな体験ベースの指標であるNSMが生まれたものの、ただNSMは彼らにとっては追いづらい指標でもある。

そんなアッチをたてるとコッチがたたない。難しい。


でも絶望的かというとそんなことはなく、指標を定める過程は非常に有用であるとも思います。

指標を話すことで夢みがちなプランがグググッとリアリティをもつ
結果として、定まらなかったとしてもその過程で得るものは多く、結果定まったならそれは最強でしかない。

凡庸な答えですが、これに尽きる。


2. ステークホルダーにあわせて自分のチームが活動しやすい・解釈しやすい指標を作る


経営や営業などステークホルダーが持っているKGI/KPIに繋げるという、至極あたりまえな事を書いています。

100万周回って、結果的に私が運営しているのがこの形。
ここでも凡庸な答えに辿り着いている今日この頃。
KPIツリーにプロダクトの施策がプロットされる。これにより活動の繋がりを持つ。そうすることでプロダクトチームが同じ方向を向く。

良さそうに感じます。

ただ、注意すべきは、KPIからのブレイクダウンはそのままだとプロダクトの日々の活動に直結する指標になりづらいという事。


例えば、1つのプロダクト改善が複数のKPIに繋がる事も往々にしてある。
例えば、(今の日本の株式会社の)ビジネスでのKPIは短期的になりがちでもある。

語弊を恐れず言えば、プロダクトを考える上でビジネスKPI”だけ”みているとマイナスすらある危険な指標にもなりうる。
そこには解釈・伝達するチームやプロダクトマネージャたちの努力が必要なので、コミュニケーションもセットで設計する必要があり、ここが骨が折れています。


でもなぜ私が今ここに至っているというと、
組織がまだまだ1つになりきれてない状態はあり、自分の運営する組織側を合わせる方が早かったからです。
圧倒的消極的な選択であるとも自覚しています。

その結果、プロダクトチームのリズムが合わない事もあり、ベストな選択かどうかはわからないが、何周かして結局ここが最適ではという形に落ち着いてしまう。

それでも一歩、動きをだすために、止まらない事を選んでいます。

3. いいからやろうぜ

KPI警察、NSM警察、だめ絶対。
いいからやろう。

指標の目的はいくつかあると思うが、最大の目的は、活動の方向性を揃えることにある。と思う。
指標なんてなくてもそれを満たせば良いとも言える。

  • あんまり壮大な位置付けにせずメンバーの方向性を定めるための指標

  • 象徴的な指標をひっさげて、メンバーの一歩を押すための指標

プロダクトマネージャっぽくいうなら、OKRはちょうど良い距離感のように感じます。

指標同士を繋げ、繋がりを証明しすぎず、活動を重要視する。

指標の話をしてここまでしてきていますが、あえて指標を定めないという選択でも良いと感じる事も多いです。

おわりに

私は指標が控えめに言って大好きです。

数字が好きというのもそうなのですが、途中に書いたように、指標に落とす過程で曖昧さが減るのです。
目標を定めるときに、ターゲット、解決したい課題、到達する効果など、それぞれが持っている”感覚”を、まさに同じ物差しで比べることができる
最高です。


ただ結果的に良い指標や運用に辿り着くのは簡単ではなく、1年かけて作ったものを捨てた事もあります。
ひよってしまった結果もあるのですが、やはりB2B SaaSで良いプロダクト指標を持つことは難しいとも日々感じます。


みなさんには、ぜひ「いいからやろう」で始まり、「最高の指標」を作れるプロダクトマネージャーになって、あわよくば私もその極意を学びたい気持ちです。

今のプロダクト指標、活きていますか?



ところで今日のタイトルは、

「部屋とワイシャツと私」という曲名をかすめたようなかすめてないようなリズムでお届けしたわけですが、

"部屋"と"Yシャツ"と"私"は、どれも生活と共に変わるものが列挙されているようです。

NSMもKPIも私もプロダクトの状況と共に変わっていくと良いですね。


最後までお読みいただきありがとうございました!


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