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東京から船で24時間の自然遺産 小笠原諸島へ行ってきた!#1

 東京都東京から南に1000km,船で片道24時間かけて進んだ先にある世界自然遺産の小笠原諸島は,誰もが一度は行きたい場所なのではないでしょうか.ところが,6日に1便の船で片道24時間かけて行くのは,なかなかハードルが高いものであります.
 そこで,行けるときに行こう!と思い,先日,小笠原へと行ってきましたので,その旅行記を2回に分けてお届けします.


おがさわら丸で父島へ

 出発当日の朝,アメリカから帰国したばかりで何の準備もしていなかった私は,結局準備が不十分なまま東京は竹芝桟橋へ.ゆりかもめの車内からは既に停まっているおがさわら丸が見え,その大きさに驚きつつ,客船ターミナルへと向かった.

 午前11時,定刻通りにおがさわら丸は動き始め,竹芝桟橋を離岸した.インターネットにも繋がらない,24時間の船旅の始まりである.

竹芝桟橋を離れるとレインボーブリッジをくぐって東京湾を進んだ.
船内レストランでいただく島塩ラーメン
あっさりした塩味で美味しかった.

Day1 初めての小笠原に上陸!

 意外と揺れて作業する気も起きず,だらだら過ごしていると気付けば到着1時間前.重い腰を上げて甲板へ行くと,船が進む先にはうっすらと父島の影が見えた.

小笠原で最初の食事

 24時間の船旅の末に到着した父島で,まずは昼食を摂りにハートロックカフェへ.メカジキカレーと島バナナタルトをいただいた.

カレーは甘口で優しい味わい
タルトは程よい甘さでめちゃくちゃ美味しかった

小笠原の情報収集

 食事ののちは,情報収集がてら,小笠原ビジターセンター,小笠原世界遺産センター,小笠原水産センター,小笠原海洋センターに立ち寄った.これら4施設はすべて入場無料なのがありがたいところである.

 小笠原ビジターセンターはパネル展示がメインの施設であり,分野別の解説がある他,今回は期間限定のクジラ展という企画展を実施していた.

 小笠原世界遺産センターもパネル展示がメインだが,こちらは小笠原の自然環境にフォーカスしている印象を受けた.飼育されているマイマイやハンミョウも展示されている.

 小笠原水産センターには小笠原の魚が飼育されており,小さな水族館として展示されている.

 小笠原海洋センターはウミガメの飼育施設のようで,小さい個体から大きな個体まで,数種類のウミガメが飼育されているところを見ることができた.

小笠原の海へハイキング

 小笠原の施設巡りののちは,父島の東側にある初寝浦という海岸へ向かった.夜明道路という道路沿いにある展望台から1km進んだ先から遊歩道があり,入口から片道1時間程度のハイキングで海岸に出ることができる.

初寝浦に向かう途中に立ち寄った旭平展望台
曇っていても碧く見える海は小笠原だからこそ
初寝浦展望台から右下に初寝浦海岸を望む
初寝浦海岸へつながる遊歩道の入口
初寝浦海岸

 固有種の多い小笠原の独特な森の中を進むこと1時間弱,誰もいない穏やかな空気の流れる海岸へとたどり着いた.曇っているのが残念だが,それでも雲の白さに負けない青い海を見ることができ,初日から小笠原の海と山を愉しむことができた.
 …が,遊歩道入口から200m降りて来たので,このあとは急な階段を登り続けて戻らないといけないのであった.

初日の夕食

 24時間の船旅からの,往復2時間のハイキングで疲れ切った初日も終わりが近づき,Bar Creyonというバーで夕食をいただいた.いただいた食事はメカジキのステーキとウミガメの唐揚げという,小笠原ならではの食材を使ったものであった.

ウミガメは弾力がある牛肉のような感じであった

Day2 日帰り母島旅

 2日目は,小笠原のもう一つの有人島である母島へ向かった.母島は人口500人弱の小さな島であり,宿はどこも満室であったため,今回は日帰りで立ち寄ることとした.

母島の南端 南崎へハイキング

 母島には,東京都道の最南端がある.まずはその都道最南端へと向かい,そこから片道1時間のハイキングで,母島の南端にある南崎・小富士へと向かった.

東京都道の最南端
都道最南端の碑は島の中学生の卒業制作だそう
都道最南端の近くにある万年青浜(おもとはま)
小さな浜辺は秘密の海岸のよう
遊歩道の途中にある蓮池
昔は池沼だったが現在は水は張っていない
ひたすら木々に囲まれた遊歩道を進んで行くと,途中で開けた場所に出る.
赤土が摺鉢状に露出しているこの場所からの光景は,何とも不思議なものであった.
遊歩道の途中に,葉の裏が紫色の毒々しい草が生い茂る場所があった.
この植物はムラサキオモトという,戦前に出荷用で栽培していた観葉植物だそう.

 途中,ところどころで変化のある遊歩道を進んでいたら,気づいたら終点に近づき,開けた場所に出る.後ろを振り向けば,目線の先には母島の島全体を見渡すことができた.

 そして遊歩道の終点,南崎の小富士に到着となった.ここから見渡す青い海は,この景色が見たくて来たのだが,想像以上に壮大で,美しいものであった.日帰りだけれども,来てよかった.

小富士から見下ろす南崎海岸
小富士の東側からは母島の南に連なる島々を望める

父島へ戻り夕陽を眺める

 南崎へのハイキングを終え,想像以上に素晴らしい景色に満足し,父島へと戻った.

父島に戻った後に立ち寄った長崎展望台
日が傾いており海の色が暗いのが残念であった

 父島に戻った頃には夕暮れ時も近づいており,この日は晴れていたので,父島の夕日スポットの一つであるウェザーステーション展望台へと向かうと,空が夕日で染まる中,たくさんの人が展望台に集まっていた.

ウェザーステーション展望台から夕日に染まった景色を眺める
沈みゆく夕日とサンセットクルーズ

 空に雲は出ていたものの,丸く美しい夕日を見ることができ,夕日が完全に沈んだときには拍手まで沸き起こった.それほどに素晴らしい夕日であった.

島から見る夜空には満点の星

 日が沈んでからは,父島の南にある,小港海岸という海岸に向かった.集落から離れたこの海岸から,星空を見上げようという魂胆であったのだが,何の光にも邪魔されない,夜の海岸から見る空には,満天の星が広がっているのが見えた.都会では見れない星空を見て,見える星の多さに驚いた.

2日目の夜ごはん

 集落に戻り,洋風居酒屋Charaという居酒屋で2日目の夜ごはんをいただいた.この居酒屋の名物である,めちゃくちゃでかいソデイカリングフライと,メカジキの唐揚げをいただいた.どちらもとても美味しいものであった.


 ということで,24時間の船旅の末にたどり着いた小笠原諸島では,到着して早速,美味しい食事と素晴らしい景色を愉しむことができました.次回は,ガイド同行でないと立ち入れない父島のハイキングから,最終日までをお届けします.

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