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tabito
2023年8月13日 16:19
誰しもが抱える劣等感や心の淀みをこれでもかというぐらい炙り出す一冊。憧れの芸能人のあの人や世話焼きなあの人は自分が抱えている悩みなんかとは無縁なんだろうな、"羨ましい"。私の方があの子より容姿やスキルがいいから"私の方が幸せに決まってる"なんて誰しもが一度は脳内を過ったことがあるだろう負の感情が物語の強烈なスパイスになって、独特の読後感を味わえます。誰しもが抱える劣等感や心の淀みをこれで
2022年11月27日 15:18
「ピンとこないの正体は、あなたが相手に付けている値段です」とんでもない本に出会ってしまった。辻村深月の『傲慢と善良』は30代半ばの真実と40歳目前の架の2人の物語である。こんなに心抉られる本はないんじゃないかと思うほど繊細で緻密な描写。結婚がテーマだが、主人公たちを取り巻く家族や主人公自身の生き様を読んでいると仕事の考え方から老後の過ごし方まで人生全般、このままでいいんだろうか。と振