愛のある手
本当は今日は別の記事を投稿する予定だったけど、急遽この話題にしようと思う。
平日の出勤時間の電車は少し殺伐としていて、あまり好きではない。
今月は、仕事が土日もあるため、土日も電車を乗っている。
土日のゆったりとした電車内では、時々普段見られないドラマが見れるから、好きだ。
〜
「s..ス...ミマセン!」
イヤフォン越しに、拙い日本語が聞こえてきた。
見上げると、優しそうなハンチング帽をかぶった背の高い方がいた。
目線の先には、さっき電車を降りたばかりのご婦人。
よく見ると彼の手は、彼女が座っていた席にかけてあった傘をとってあげようとしていた。
咄嗟にわたしもご婦人を引き留めた。
声に気がついたご婦人が急いで傘を受け取ろうと電車に乗ると、なんとドアが閉まってしまった。
わたしもご婦人も助けてくれた方も「あっ」。
目を見合わせて困っていると、気がついた駅員さんがドアを開けてくれた。
会釈をすると、ご婦人は電車を降りた。
ハンチング帽をかぶったその人は一瞬わたしを見て微笑むと、ご婦人が座っていた席に座り、窓の外を見た。
外は雨。天気はあまりいいとはいえない。
でも、悪くないなと思った朝だった。
わたしたちが交わした会話はゼロに近い。
あのときの彼の声と愛のある手がなければ、このような出来事はなく、わたしはイヤフォンの世界の中で朝の眠気を覚ましただろう。
いい朝だった、おはようございます。
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