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意思決定と説得コスト

こんにちわ。友成です。
2024年もよろしくお願いします。

様々な道がある中でどこに進むかという意思決定は大変ですよね。
組織には、そんな意思決定をした後に色々と説明を求めてきたり、納得感を求めてくる人がいますよね。私はそのような人についてとても説得コストが高い人と考えています。
今回は、意思決定とそこについてきてしまう説得コストについて書きたいと思います。


はじめに

様々な組織に関わり、見ていると説得コストが異常に高い人がいます。
裏を返せば自分が納得する事が高い優先順位にきてしまって、納得するまで動けない。「自分を納得させてくれたら動きます」というような人です。
あなたの周りにもいないでしょうか?
そのような人は、納得するためのコスト、説明する側からすると説得するコストが異常に高い人と言えます。
また、あなた自身が誰かに対して、自分を納得させて欲しいと願い、説得コストの高い人になっていないでしょうか?
このような人が組織にいると、進むべき仕事が止まったり、説得するために様々なMTGや個別説明、資料作成などが求められ、結果的に組織全体の仕事やプロジェクト速度が低下します。

では、説得コストが高い人はどのような点に課題があるのでしょうか。
説得コストが高い人について、少し考えていきたいと思います。

議論と意思決定の混同

説得コストの高い人に多く見られるのが、そもそも、組織における「議論」と「意思決定」をきちんと理解していないということが挙げられるでしょう。
議論の場は、様々な意見を言って良いと思います。また、論理的に矛盾していたり、納得感が得られないため、詳しい説明を求めても良いと思います。

一方で、意思決定された物事については、考え方が違います。当人が理解できるかどうか、また、当人が納得しているかどうかにかかわず、意思決定されたことは決定された事なので、反対や納得してないからやらないということはあってはならのないです。
当然、納得できるようになるべく説明するのは、上席の役割だとは思います。ただ、納得してなくても、意思決定は決定として実行するのです。
当然、実行するべきことが、法律違反、倫理的に問題があるなどの場合は別です。

この議論と意思決定の違いと実行の必要性について理解しておらず、意思決定されたことについて、納得していないので、説明を求める人がいます。
これこそが説得コストが上がる理由です。

意思決定は決定

当たり前ですが、意思決定は決定なのです。決定しているので実行するのですが、ここに納得感を持ち込む人がいますがこれは間違いです。

別の視点で考えてみてください。取締役会で決めた法令に沿った方針について納得できないから実行しなかったどうなるでしょうか?
第三者の目線で見ると会社としてかなりまずい状態で、ガバナンスが取れていなく、組織としても崩壊に近い状態だと思います。意思決定者が決めた事に対して、個人の見解や個人の感情で、物事が実行されない状態です。
あなたが、投資家で投資する立場であればどうでしょうか。決算発表で提示された事業計画やマイルストーン通りに実行されない組織に投資するでしょうか。当然ですが、投資しないと思います。

話を戻しますが、意思決定は組織としての決定で各人の納得感の問題で実行しないという事は組織として崩壊しています。

意思決定されたとしても、「法令に違反している」「偽装行為」「詐欺行為」「倫理に反している」などのサービスに重大な課題がある場合は、反対(指摘)や告発をすべきだと思います。

ただ一方で、最近の傾向を見ていると本来指摘して改善すべき重大な問題を誰も指摘せずに外部から指摘されるケースも多いように感じます。
特に最近では日本の大手の企業での、不祥事は明らかに組織ぐるみで、倫理的にみて誰かが指摘して止めるべき物が止まらずに続いてしまっているという状態で組織として健全でないと思います。

足りない事

説得コストの高い人に足りない事、またそのような組織状態を生み出す人に足りない事は、会社全体のルールの理解や責任の所在の明確化、また、会社内で、責任と権限が不明確であったりする事が原因かもしれません。

社内の説得コストを下げる取り組み

  • 意思決定者を明確にする

  • 責任の所在を明確にする(意思決定者が責任を取る人)

  • 決定のプロセスや背景をメンバーに共有する

  • 決定のプロセスにメンバーを巻き込む

  • 決まった事を周知する

  • 決定基準の明確化

特に多いのが決定基準が曖昧であることです。意思決定というのは決定基準があり、ある程度可視化されている必要があります。
意思決定の基準の例は配下のようなものです。

プロジェクト実施の決定基準

  • 顧客のニーズ(アンケートの評価結果)

  • 開発リソース(対応できる人材がいる)

  • スケジュール

  • 開発コスト

  • マーケティングコスト

  • 法令や規制の遵守

  • 競合優位性

  • 長期的な収益性

上記のように意思決定の基準が明確になっており、可視化されているとどのような基準で決定したかがわかりやすいです。
上記のような項目が可視化されておらず、個人の感覚で決定していると周囲から意思決定の基準がわかりづらく、説明コストが上がっていきます。
ビジョンやミッションだけでなく、組織として、どのような基準で意思決定しているのかがわかりやすくなっていると良いでしょう。

まとめ

人が集まる組織では、反対賛成、納得できるできない、また上記には書きませんでしたが、人の好き嫌いが一定あると思います。
議論の場では大いに議論することが大切ですが、意思決定された事や決定された事の実行に関して、納得感や好き嫌いを持ち込むと仕事は進まなくなります。

時に感情も大切ですが、決定された事については、背景や決定基準をきちんと理解して進めていくことが必要だと思います。

また、あなたが部下を持つ立場であれば、意思決定がどのような基準でされたかをよりクリアに説明したり、可視化して他の人が見てわかるように整備しておく必要があると思います。
決定基準が明確であれば、他の人も仕事を進める際に、ある程度事前に決定基準にあった形で仕事を進めていく事ができると思います。

今回は説得コストについて見てきましたが、社内で議論する事は非常に大切ですが、意思決定者が決めた事について、反対したり、実行しなかったりするのは、組織のルールとしてはルール違反ですし、基本的にはガバナンスが取れていない組織です。
意思決定者、決定の責任を取る人、意思決定の基準、法令や規制を守れているかというような点をクリアにして仕事をすると良いでしょう。


それでは、また次回よろしくお願いします。

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