20年11/5　小説📚パロディ「痔滅の刃」No.15　第一章⑮　🔴3大国民病

⬜⬜ 痔症による塗炭（とたん）の苦しみ

【トタン屋根の苦しみ】

当時、結核と脚気は2大国民病と言われていましたが、筆者はこれに「痔」を加えて3大国民病と呼んでいたとしても過言ではないと考えています。【塗炭の苦しみ】耐え難い苦しみ、酷い苦痛。

現在では、脚気は鈴木梅太郎博士のビタミンB1の発見、

結核はフランスのパスツール研究所の開発したワクチンにより、ほとんど発症していません。

それに対して「痔」は今現在も国民病として残存し、私を始めとする善良な市民を苦しめているのです。何とか完全に根痔（治）したいものです。

🕵 炭痔郎が生きた明治・大正時代の人々が如何に痔に苦しんでいたか、その一端を偉人3人の痔（事）例によって見てみましょう。

＜正岡 子規＞
「柿くへば鐘がなるなり法隆寺」

【柿食えば】

【鐘が鳴るなり】

【法隆寺】

有名な句ですが、
実は正岡子規が痔瘻（じろう）の痛みで歩けなくなり、

しかたなく法隆寺の門前の茶店で休んでいた時に

出来た（浮かんだ）句といわれています。

＜乃木 希典＞（のぎまれすけ）
ひどい脱肛に悩まされ、いつもズボン釣りのようにした木綿（もめん）を肩から掛けて、脱肛を圧定していたということです。

＜夏目 漱石＞

【犬が猫になりたいように、鹿も猫になりたい時があるのです】

【いやいや、犬や鹿だけでなく人間だって猫になりたいのです】

小説「明暗」は主人公が痔瘻を治療している場面から始まります。

漱石自身も痔瘻で入院していた際に、乃木大将の殉職（じゅんしょく）を想い「僕の手術は乃木大将の自殺と同じ位の苦しみあるものと・・・」と、友人に痔の苦しさを訴える手紙を出しています。
【殉職】明治天皇の大喪の礼（天皇・上皇の国葬）当日、夫人と共に自刃。

小説「坊っちゃん」を書いている頃は、漱石も長い歳月で醸成された痔症の為に、地獄の苦しみを味わっていたのでしょうか？

現在、日経新聞朝刊に伊集院静氏が「ミチクサ先生」と題して、夏目漱石について連載されています。

夏目漱石と正岡子規が如何に親友であったのかは分かるのですが、互いが大いに痔で苦しんでいるのに、それについての言及は今のところ全然ありません。これからの展開に期待？します。

痔（次）号に続く