1回のトレーニングで行うプログラムの流れについて
皆さん、こんにちは!
理学療法士の澤渡です。
今回は私が普段リハビリやトレーニング指導時に提供しているコンディショニングプログラムの流れについてお話していきたいと思います。
一般的にトレーニングプログラムはウォーミングアップ(準備運動)を行った後にメインのトレーニングを行うような流れですが、それと同じようにカラダを整えてから鍛えていくというような流れで行っています。
私が提供しているコンディショニングプログラムは大きく「緩める」「整える」「鍛える」の3つの段階に分けて進めていきます。
コンディショニングプログラムの流れ
運動はやみくもに行っても期待する効果は得られません。そのため、エクササイズの前に自分のカラダに合った方法で行う必要があります。
自分のカラダに合った方法を行うためには段階的にエクササイズを進めていくことが必要です。
すごく簡単に説明すると、1から10の能力があったとして1から5しか使えていないのであればそれを1から10にすることが「緩める」の段階になります。
ここでは関節の可動域や筋肉の柔軟性を高める段階とも言えます。
次に、1から10を上手にコントロールできる力を獲得することが「整える」の段階。
緩めたら緩めた状態のまま終わるのではなく、適切に正しく動かせることが大切です。そのため、ここでは上手く使えていない筋肉を活性化させて、正しい動きを身につける段階とも言えます。
最後に、1から10の能力をしっかり維持したり向上していくのが「鍛える」の段階。
ここでは、ただ単純に筋肉を鍛えて見た目の良いカラダ作りを行うのではなく、健康的な動きや調子が良くなるようなトレーニングを提供する段階とも言えます。
このようにコンディショニングを主体としたトレーニングプログラムはメディカルの知見をフィットネスに応用した形で提供しています。
次に段階的なトレーニングプログラムの割合について説明していきます。
3つの段階はトレーニングの介入時期や身体レベルに応じて提供する割合が異なります。(上図参照)
運動初期は緩める・整えるの割合が多く、エクササイズに慣れてきたり、上達するにしたがって整える・鍛えるの割合が増えてきます。
ここからは各段階で行うエクササイズの分類について詳しくお話していきたいと思います。
01. セルフリリース|硬くなった筋肉を緩める
ここでは硬くなった筋肉や関節に対してフォームローラーやテニスボールなどのツールを使用して緩めていきます。
上の図は太ももの側面にある大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)を緩めるセルフリリースです。
このようにセルフリリースを行うことで筋肉の緊張を緩和したり、柔軟性や可動性を向上させる目的で行います。
02. ストレッチ|緩めた筋肉を伸ばす
セルフリリースによって筋肉の緊張を緩和し、柔軟性や可動性を向上したら次は獲得した柔軟性や可動性を維持できるようにストレッチを行います。
上の写真では股関節を動かし、太ももの裏側にあるハムストリングスという筋肉を伸ばしています。
このようにストレッチでは短期的に獲得した可動域や柔軟性を長期的に持続するために行います。
可動性や柔軟性を高めるためにはストレッチだけではなく、先ほど紹介したセルフリリースとストレッチを組み合わせることで期待できる効果が高くなると言われています。
そのために柔軟性や動きの質が低下している方に対してはトレーニング初期に行う割合を増やして処方しています。
03. アクティベーション |上手く使えていない部位を活性化/強化する
可動域域や柔軟性が獲得・向上できれば、機能が低下している部位や筋肉を活性化させる目的でエクササイズを行います。
上の図は体幹筋を活性化させる(Dead bug)デッドバグというエクササイズです。
人間の身体は主に動かす部位と支える部位に分かれており、各部位が適切に働くことで機能します。
つまり、緩める・伸ばすことは大切ですが、それが出来るようになったのであれば、適切なタイミングで適切なスイッチを入れられるようになることが大切になります。
04. ムーブメント|正しく動かす
緩めて・伸ばし、上手く使えていない部位を活性化できれば、適切な動きをコントロール出来るように正しく動かすことが大切です。
ここでは正しい動きを獲得することを目的としてエクササイズを行っていきます。
上の写真は胸椎や股関節を動きを高める(World greatest stretch)ワールド グレイテスト ストレッチというエクササイズです。
このエクササイズ自体は動的なストレッチなのですが、固める所と動かす所を意識しながら行う必要があるためらこれまで紹介してきたエクササイズが適切に行えているかが前提になります。
一般的にパーソナルトレーニングや筋力トレーニングなどで行うウォーミングアップ(準備運動)はこの段階から始まります。
05. ストレングス|動きを鍛える
ここから先は鍛えることを目的とした一般的な筋トレを行う段階です。
しかし、コンディショニングプログラムで行う筋トレは筋を鍛えるのではなく、動作に負荷をかけて鍛えていくことが大きな特徴です。
例えば、筋を鍛える場合、胸や背中、下半身など部位別ごどにトレーニングプログラムを処方していきますが、コンディショニングプログラムでは押す系や引く系の種目など、体の部位ではなく動作に基づいてアプローチしていきます。
動作に負荷をかけた結果、身体機能を向上させたり、基本的動作能力を発展させることが出来ます。
06. カーディオ(有酸素運動)|全身を動かす
ここまで緩める→伸ばす→活性化させる→正しく動かす
→鍛えるという流れで一連のトレーニングプログラムを説明してきました。
最後に全身を動かす有酸素運動があります。
この有酸素運動運動では全身を動かし心肺機能を高めたり、代謝系を向上させる目的で行います。
上図ではその場で足踏みをして全身を動かすエクササイズを行い、全身運動によって心拍数を上げ、脂肪燃焼効果を促します。
筋トレだけではなく、こうした有酸素運動もトレーニングプログラムに取り入れることで体力を向上させることが出来ます。
最後に
今回は1回で行うコンディショニングプログラムの流れについてご紹介しましたが、リハビリでは緩めるや整えるの割合が多く、一方で筋トレは鍛えるや全身を動かす割合が多くなります。
どちらも目的や自分のカラダの状態に合わせてトレーニングプログラムを処方していく必要がありますが、どちらが良いか悪いかではなく、必要に応じて段階的に進めていくことが非常に大切になると思っています。
次回からはこちらに示した各段階ごとにストレッチやエクササイズ方法についてまとめて記事にしていこうと思います。
最後までお読み頂き誠にありがとうございました。
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