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家族でパーティを組む時間

パソコン、ノートパソコン、タブレット。
各々に「マイクラ」を入れ、家族でプレイするのがブーム。
妻も私もゲームには疎い。「家づくり」も「モンスター倒し」もリーダーは五歳息子が務める。

「ママ、暗い時はランタンを置いて」
「パパ、クリーパーは危ないから僕が」
勇敢な戦士の指示におろおろ付いていく二人。

――家族でこういうのいいね。
「いつまで一緒に遊んでくれるかしら」
妻はぼそりと言った。

夕食後、「月が見たい」という私に付いて家族で散歩に。
自販機まで五分。途中、暗い公園内の草むらに怯える息子。

「ママ、あそこ、モンスターいそう」
「パパ、どんどん先に行かないで」
ゲームでの勇敢さはどこへやら。しょうがない。三人横並びのパーティを組んで、暗闇ゾーンを横切った。

「夜散歩も楽しいね」という妻に、
――いつまで一緒に散歩してくれるかなあ。
今度は私が言う。

ジュース3本持って再び来た道を戻る。
満月に近い月が正面に見えた。


連れ合って自販機までの小望月

(つれあってじはんきまでのこもちづき)

季語(仲秋): 待宵(まつよひ)、小望月


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