「聞いているみたいだけど、伝わっているのかなぁ」と気になる時にチェックすること
(写真はカンボジア、シアヌークビルのビーチ:2015年2月撮影)
ここ2年間、対面でお話しする機会がめっきり減りましたね。
その代わりコンピュータやスマホの画面に映し出される相手の顔を見ながらお話しする機会は、以前に比べて格段に増えたことと思います。
また、チャットといった形でのやり取りも、プライベートだけではなくビジネスの中にも組み込まれて確立し、コミュニケーションの選択肢が増えたように思います。
そして、テクノロジーの進化により、コミュニケーションは離れた場所にいても、瞬時にとることができるような環境が出来上がっています。
大学卒業後に働きはじめた頃、FAX機が職場に導入されて、上司の許可をもらって文書を初めて送ったときに、2分ほどFAX機の前で文書が送られるのを見守っていたのが、遠い昔話のように思えます。
ところが、様々な方法が手に入るようになって、相手に何かを伝えることが容易になったのなら良いのですが、どうもそうはなっていないように感じます。
今回は、こちらの話しを相手が聞いているようなのに、伝わっているのかがはっきり分からない時のことについて取り扱います。
後輩を説得するために
コミュニケーションについて考えると、私の脳裏にはいつも浮かぶ大失敗があります。
高校3年生の1学期のことです。入部した新1年生が早くも退部するというので、夜に後輩の家に電話をしました。
こちらが、退部しないように説得しようと話しを始めますが、一向にこちらの意見を聞こうとせずに、退部する理由を並べ立てます。
ひとつひとつの理由に対して返答しながら、退部を思いとどまるように説得していました。
その返答が良かったのか、突然静かになりこちらの話しを聞き入っています。
よし、こちらの話しが刺さってるんだな、と確信して、説得からお説教へと私の話は進化(?)して行きました。
30分いや、1時間近くでしょうか、大演説を終えて「分かったか?」と聞くと、しばらくの沈黙の後に「わかりました。ありがとうございます。」の返答。
うまくいったと鼻高々でした。
ところが、その翌日、後輩は退部届を顧問の先生に提出していました。
その後輩のお兄さんが私の同級生だったので、前晩の後輩の様子を尋ねました。
すると、「髙澤、あいつ受話器おいて、別の部屋でテレビ観てたよ」
え〜っ!
一方的に話す前に
もちろん、これは有線電話時代のことです。
それに、私のようなよっぽどのおしゃべりでなければ、こんな事はおこらないでしょう。
ただ、相手が黙って聞かなければならない状況で「一方的に」話しをする機会は、対面であろうとオンラインであろうと、これからもあるのではないかと思います。
朝礼で一言話しをする。
1対1の面談で話しをする。
会議でプレゼンする。
食事を一緒にしながら、お茶をしながら話しをする。
取引先に提案する。
子どもに教える。
話しの長さは別にしても、様々な場面で「一方通行」での話しになることがあるでしょう。
その時に相手が黙って話しを聞いてくれているようでも、こちらの言っていることを分かってくれているのか、はっきりしないという事があるでしょう。
そのような時には、話す前に一つ意識してみましょう。
相手がこちらの伝えたい内容を理解したら、相手がその時点からどのような変化をすることを期待しているのか、を話す内容をまとめる前に考えることです。
相手がA地点にいて、自分が伝える内容が相手に伝えられると、相手がB地点に移動するというようなイメージです。
自分のコミュニケーションを、A地点からB地点に相手が移動することのできる「乗り物」と考えても良いでしょう。
部活の後輩の例で考えれば、私は後輩が退部することをあきらめて欲しかったのです。
ところが、私は後輩が既に退部を決めて退部届も書いてある状態(A)であることは全く考えずに、まだ後輩が悩んで答えを探しているかのように一方的な話しをして、強引に退部という考えをあきらめる状態(B)にもって行こうとしていたわけです。
話しを始める前に、相手はどこ(A)から私たちの話(乗り物)に乗ってどこ(B)に行って欲しいと自分が願っているかについて、考えることを提案いたします。
当てずっぽうに弓矢をいっても、的に当たることはまずありません。
言いっぱなしにしない
黙ってうなずきながら聞いていたけれど、分かったのかな。そう思ったら、遅すぎることはありません。
相手にフィードバックをもらいましょう。
相手や状況によって直接聞くことができないかも知れません。間接的にでもフィードバックをもらうことの方が、もらわないより良いのです。
フィードバックをもらわないで、勝手にこちらが相手の理解を判断すると、何がコミュニケーションを不通にしているかさえも、分かりません。
それに、自分のコミュニケーションの質を高めることもなく、闇雲に言葉を増やしてかえって逆効果になることさえあるでしょう。
私の後輩の説得の時ように、勝手にこちらの思い込みで「聞いているな」と勘違いすることが実際は多いのです。
このようなフィードバックは、マーケティングにおける見込み客への訴求でも言えることだと思います。
なぜ、購入にいたらなかったのか、また、なぜ購入に至ったのか、フィードバックをもらうことは、効果的なコミュケーションのためには、必要不可欠ですよね。
あなたのコミュケーションが、より良いものになり、最高のパフォーマンスへと導かれますように。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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