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【読書】木田元『哲学散歩』

著者の木田元さんが夏にお亡くなりになった後に出版されたエッセイ集です。新聞の書評といっしょに書店の特設ステージに展示されていました。
(この読書メモは、2014年12月に書いたものです)

不学な自分はまったく知らなかったのですが、日本を代表する哲学者の方だそうです……無知の強みで気楽に読ませていただきました。

後半、話題が現代に近づくにつれ、どんどん筆がのってきている感じがしました。ハイデガーとその周辺の人びとを扱った回は特におもしろかったのですが、どうも木田先生のご専門はハイデガーのようです。

それぞれのテーマや登場人物について、ぼくはまったく前提知識を持ち合わせていないのですが、引用されている本で読みたいと思わなかった本がないくらい。読者をうまく導いて、好奇心のとびらを開いてくれるエッセイ集だと思います。

それに、なんだか人がらの良さが文章ににじんでいるようで、こんな先生に教わったら楽しかっただろうなと、ちょっと学生がうらやましくなりました。

この本に登場した中から、積読候補をメモしておきます。

・ポール・ニザン『アデン、アラビア』河出書房新社(2008/11/11)

・ウィリアム・ノエル、リヴィエル・ネッツ『解読!アルキメデス写本』光文社(2008/5/23)

・伊藤俊太郎『近代科学の源流』中央公論新社(2007/9/22)

……まあ、すさまじく長い未読本の待ち行列があるので、いつ読めるかわかりませんが。

(2014/12/28 記、2024/10/6 改稿)


木田 元『哲学散歩』文藝春秋(2014/10/27)
ISBN-10  4163901515
ISBN-13  978-4163901510

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