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【読書】クリストファー・マクドゥーガル『ナチュラル・ボーン・ヒーローズ──人類が失った"野生"のスキルをめぐる冒険』

(この読書メモは、2019年11月に書いたものです)

作者は『BORN TO RUN』で有名なクリストファー・マクドゥーガル。本作では、第二次世界大戦中の英国軍エージェントとクレタ島のレジスタンスによる、ある対独工作を追います。

舞台はドイツ占領下の地中海クレタ島。件の英国人エージェントと島のレジスタンスは、占領軍ひしめく北部市街地からナチスの将軍を誘拐し、敵の包囲網をかいくぐって島中央部の山岳地帯を突破。捕らえた将軍を連れて、南岸から島を脱出するという、まるで映画みたいな、そして、まるで山岳ウルトラマラソンみたいなことを企てます。

前作もそうですが、ストーリーの縦糸にウンチクの横糸を組み合わせるのが、この人の作風のようです。今回はクレタ島の脱出劇という本筋に、「筋膜の弾性エネルギー」、「ナチュラル・ムーブメント」、「パルクール」、“燃料源としての脂肪”を志向する「マフェトン・メソッド」など、とにかく長時間よく動く身体のつくり方をこれでもかと詰め込んできました。ただの歴史冒険活劇でないところがおもしろい。

作品としては、二つのテーマが融合しきってない気もしますが、まあ一粒で二度おいしいとも言えるかもしれません。

いいなー、長時間よく動くカラダ。
ぼくはダメだ。運動不足でもうぜんぜん身体が動かない。マフェトン・メソッド、試してみよっかな……

(2019/11/23 記、2025/1/31 改稿)


クリストファー・マクドゥーガル『ナチュラル・ボーン・ヒーローズ──人類が失った"野生"のスキルをめぐる冒険』NHK出版(2015/8/26)
ISBN-10 4140816848
ISBN-13 978-4140816844

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