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【おふとんな日々vol.93】理想の本棚を探せ!
こんばんは。毎週水曜日更新のfumiさんと旬香の交換日記note「おふとんな日々」です。11月13日(水)は旬香が担当します。
気持ちいい気候になってきて、お散歩がはかどります。
近所の店の女将さんから、近くの公園が良いお散歩スポットだと聞いて通いはじめました。
「手向山」という木を見て、この名前って百人一首の歌に出でくるんじゃ?と調べたり、昔話「モチモチの木」に出てくる木があったり。
散歩しながら物語のなかで出会った言葉が顔を出して、言葉と植物が繋がるのがおもしろい。
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百人一首は24番の歌、菅原道真公のものです。
このたびは 幣も取りあへず 手向(たむけ)山
紅葉(もみぢ)の錦 神のまにまに
「手向山(たむけやま)」という木の名前に、「手向ける」と「山の紅葉」を掛けたのかな?と思い調べてみたのですが、手向山と呼ばれる山もあるそうなので、ちょっと違うのかも。
どちらにせよ実在の木や山の名前を掛けるその知性がうらやましい。これが教養とされた時代もあって、考えるのが楽しい人もきっといたんだろうなあ。
子どもの頃から本当にたくさんの本を読んできたからこそ、つながる喜びや楽しさがあるのかと思うと、まさに「物語は人生を豊かにする」。
fumiさんが以前、子どもへの読み聞かせであまり身近でない題材の本を選ぶと書かれていました。
公園で私が体験したような、絵本で出会った生き物や植物に出会ったときの感動をプレゼントするってことですよね。素敵。
理想の本棚を探せ!
さて、今週からのテーマは「理想の本棚を探せ!」です。
きっかけは、先月京都の「恵文社 一乗寺店」で出会った本。
安達茉莉子さんの「私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE」です。
帯にはこう書かれています。
「これでいいや」で選ばないこと。「実は好きじゃない」を放置しないこと。
「私の生活改善運動」とは?
ータオルやシーツ、ゴミ箱、セーター、靴、家具など具体的なものから、住居や仕事、人間関係など様々なレベルで、自分にとっての幸せが何なのかを探り、幸せに生活していくための具体的な行動をとっていく。
購入前にパラパラと開いて読んだ一節も引用します。
自分が心地良いと思うほうに生活を改善していく。(中略)
生活を改善するということは、単にクオリティ・オブ・ライフを高めていくだけにはとどまらない。ある種の自己尊厳関わるものであると気づき始めた。
仕事柄と個人的な興味から「クオリティ・オブ・ライフ」「自己尊厳」という言葉にビビッときて、購入した一冊です。
生活のひとつひとつを「気に入っているか」「蔑ろにしていないか」。
この発想を持って、家のなかを見まわした時に気になったのが「本棚」。
本棚が好きじゃない。
ずーっと見て見ぬふりをしていた問題でした。
というか、きちんとした本棚がありません。
我が家は引っ越しやすさを最優先した結果、収納はこのケースばかり。
これはこれで、組み合わせてテレビ台にもクローゼットの中にも使えて万能なんです。
結果的に、本もこの引き出しにしまうようになっていました。
本をしまう場所は、本が入れられるドレッサーの椅子、夫が持っていたマガジンラック、夫が技術の授業の見本に作った木のブックスタンド。
考えてみればどれも「お気に入り」と呼べるものではなく、気に入った本棚を探したい気持ちが高まってきました。
理想の本棚の条件は?
Instagramや通販サイトを見まくって、理想の本棚の条件をいくつかピックアップしてみました。
今回はひとまず、あまり大きくない自分専用の本棚です。
置く場所はここ。
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いろいろ調べて、絞り込んだ条件はこちら。
・素材は木
・白すぎず、黒すぎない素材
・引っ越しても、変化に合わせて置き場や使い方を変えられる
・本が斜めに倒れて傷まないよう、ブックエンドは必須
・置きたい本の高さや厚さに合わせたい
・本だけでなく、小物やちょい置きにも使いたい
・本の背中側は空いていて欲しい
(ずらっと並んだのを背表紙じゃない側から見たい)
・碁盤の目みたいに規則正しい形はあんまり好きじゃない
(何段かあるなら棚板をずらしたり、組み合わせたりしたい)
イメージとしては、四角い木枠のような本棚。
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ブックエンド部分については、今まで一度も気に入ったブックエンドを見つけられたことがないので調べまくった結果、コの字ラックを横に向けてブックエンドにするアイデアに辿り着きました。北欧暮らしの道具店のアプリで見つけた「like-it」のプラスラックを参考に。
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これなら、ブックエンドがいらないときには四角の上に置いて棚をプラスすることもできるのも魅力的。
どうやって実現する? =手作り
最初に紹介した本で「自分だけのために作ったものは、かわいい」と読んで、手作りに興味が湧きました。
今までは工作が苦手だったので、作る発想はありませんでした。
不器用だし。IKEAで組み立てが必要な家具を買うのも嫌だったほど。
夫(副業:木工作家)と結婚してから、木の粉を掃いたり、ドリルのアダプターを付け替えたり、板を押さえたり…
お手伝いしまくっていたので、気づいたら身近に感じるようになりました。
今ならちょっとできる気がする…
ちょうど(?)夫が木工のお店を持っていて機械もあるので、夫と一緒に木から手作りすることに!!!
(私の誕生日プレゼントに悩んでいた夫と、需要が一致しました笑)
今は設計図を書いているところです。
手作りとなると手順もたくさん。そういう過程が愛着を生むのかもしれないとワクワクしています。
木材を探す(好きな見た目・厚さ・幅に合うもの)→切る→溝を掘ってはめ込む→隠し釘を入れる→磨く→オイルを塗る(らしいです)
木工体験を夫の実家で、夫に教えてもらえるという特権をフル活用することにしました笑
作る過程や完成形をまた報告します!
「本との出会い」を手元に置きたい
「お気に入りの本棚に入れる本」と考えると、入れたい本が限られてくることにも気づきました。
手持ちの本をNotionで一覧にした上で整理を進めているのですが、「これは本棚に置きたくない」と気づいてしまったものも。
逆に実用書だけでなく、何度も眺めたいような本をもっと手元に置きたいとも思うようになりました。
今まであまり保管には重きを置いていなくて、私にとっての読書はおおむね本との出会いを喜ぶところまで。貪るような、品のない食べ方をしているようでちょっとだけコンプレックスでもありました。
人生も長くなってきたので、「この本に出会えてよかった」と思える本を手元に置くのも良いのかもしれません。
本を入れられるドレッサーの椅子があるので試しに並べて、ふと眺めては「気に入ってる???」と自問自答しています。
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ポイントは「世界の『美女と悪女』がよくわかる本」を入れたこと。
下世話ではあるのですが、しょっちゅう読んでいて好きで興味があるのは否定できない事実なので並べました。
写真に撮って眺めると、人間と仕事に興味がありそうな本棚ですね笑
「手元に置いて読み返したい本」との出会いは、fumiさんにもらったものでもあります。
fumiさんにおすすめしてもらう本や、fumiさんの一箱本屋PLOWでお迎えした本に抱いた感想が、「1回じゃなく、手元に置いて読み返したい本」だったんです。
特にこの2冊。
私ひとりではきっと手に取らなかった本たち。
fumiさんを通じての本との出会いも、確実に本棚の一部になっています。
本棚からはじまる、「私の生活改善運動」。
意識を向けはじめると気になるところが増え、少しずつ少しずつ「手を入れ」ています。
お鍋の蓋がゴチャつくのがずっと気になっていたのを、ボックスにまとめたり。
布製収納ボックスがどうしても好きになれず、しっかりした四角いボックスに変えたり。
今まであまり「物が好き」と言えるほど愛着を持って暮らしてこなかったのですが、「気に入っているか?」という視点を持って見ると、好き嫌いがわかるようになった気がします。
本棚を変えて、手元に置きたい本も変わる。
一つ変えると、その変化がほかのところに徐々に染み出ていく感覚をじわじわ味わっています。自己尊厳を大事にしてる感、ある。
「生活改善運動」を発端に、理想の本棚について書いてきました。
来週はfumiさんの本棚について。
本棚の本体はりんご箱と聞きました。fumiさんの理想の本棚はどんな感じなのか、理想とりんご箱のどこが合致したのか、理想の本棚にはどんな本が並んでいるのか。
理想の本棚を覗き見できるのが楽しみです!