エッセイ 真夏の贈り物
夏になると、我が家の御菜は、「和食」より「地中海食」が多くなる。
庭の菜園の夏野菜とベリー類が収穫時期を迎えるからだ。
「地中海食」とは、オリーブ油、野菜、穀類、鶏肉や魚、ナッツ、フルーツ中心の地中海沿岸諸国の伝統食を指す。
地中海食がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたのは「和食」の3年前だ。
認知症や心疾患の予防効果が高いと、世界の注目を浴びている。
私が料理で使う食用油は、10年以上前にオメガ脂肪酸が体に良いのを知ってから、オリーブ油が中心だ。
肉好きだが、歳を経るとともに鶏肉料理が多くなってきた。
野菜はたっぷり摂り、自家製ヨーグルトをいれたフルーツスムージーを毎朝食べる。
ナッツは常備しており、自家製パンにいれたり、サラダに使う。
夏から秋にかけて、食卓にはエーゲ海の風が吹く。
7月から8月の家庭菜園。キュウリ、トマト、ピーマン・ナス、ズッキーニなどの夏野菜が勢揃いする。
サラダや天ぷら、焼き物煮物などの定番以外にラタトゥユ(プロヴァンス地方)、ガスパチョ(スペイン)、ザジキ(ギリシャ)など地中海沿岸の家庭料理が多くなる。
ラズベリー、ブルーベリーも毎日摘む。
ベリー類は血圧を下げ、脳の健康を守るといわれているので、血圧が気になる身としてはありがたい。
地中海食を推奨する「地中海食ピラミッド」という図がある。
三角の頂点にあるスイーツや牛、豚肉は月に数回、次の鶏肉やチーズ、卵は週数回、と食べる頻度を表したものだ。
ピラミッドの一番下は、適度な運動や楽しい会食になっている。
枠外に「飲み物は水と適量の赤ワイン」とある。実はこの赤ワインに一番惹かれている。
2023年7月21日