悲歎の海

悲歎ひたんが また新たな悲歎を産み
あたり一面を覆い尽くそうとしている
人生はシジフォスに課せられた苦難にも似て
何と不毛で 味気ないことだろう

希望のともし火が全て消えて
暗闇が私の生涯にかげりを落とす
前も後ろも分からなくなり
無闇に足掻くたびに息が切れる

悲歎が また新たな悲歎を産み
ここは悲歎の海さながら
私はこの不吉な海に溺れ
一枚の海の藻屑となってゆくのか


(2024.8.15)

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