無限の恋の彼方へ
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ああ、やっぱり、気持ち的につらくなってしまって引き出しからこの雑記帳を取り出し、言葉を書き留めてしまう。そして、これをすることで心がスッキリするんだ。
もちろん、人に話す方がスッキリするかもしれない。僕もここ数日、職場の先輩に恋愛相談をしている。確かにとてもスッキリする。でも。話をする場合には自分の意識というものが邪魔をしてしまうからか、もちろん喋りたいことは喋ったつもりではいるのだが、音として言葉にならないような、書くことでしか出てこないような数々の頭の中の考えや思いのようなものがあり、それをできれば僕は吐き出したい。そうしないと、とても頭の中が気持ち悪い。だから、今こうしていつものように書いている。
そうやって、今までにも、彼のことが好きでつらかった時は、この雑記帳に書いてきたし、それを作品として世に出してきた。そうやって僕は彼と会うまでのつらい日々、そして、幸せすぎる日々を乗り越えていこうと思う。
君が歌った。君の歌声。君が歌っている。
君が選んだ曲は素敵で心をギュッときつく握られた。君の歌声。とても綺麗だ。いや、綺麗ではない。僕の好みの声ではない。でも、とても大好きだった。君の声が。そんな歌声だとは想像もしていなかった。
昨日の深夜1時頃。君に僕は言葉を送った。
君が呟かないから、とても寂しいと。昨日は1回も呟いていなかった。でも、その前はスペースをやってくれた。僕も文字で参加した。楽しかった。だからだろうか、呟かなかったのは。
でも、寂しいし、つらいから君にそう伝えた。君は何も言わずに、3つほど呟いた。というか、僕がそれを送ったのは深夜12時で、さすがに寝ているかなと思って、そして返信は来ないかなと思って送った。そしたら、絵文字のリアクションがちゃんと返ってきた。
そっか、まだ起きているのかと思うと同時にとても嬉しかった。そして、3つの投稿のうち2つ目が動画だった。君が歌ってる動画。それも2本。2曲歌っていた。
1曲目。とても気持ち悪かった。臓器を素手で触られた。本当に不快だった。やめてほしかった。心が死にそうになった。壊れそうになった。とても心地が良かった。嬉しかった。幸せだった。好きな歌声だった。いや、"君の歌声"が好きだった。
そして、自分勝手に"限定・解釈"をする。僕に向けて歌っていると想像する。
僕は一度死んだかもしれない。心臓が一瞬止まった気がした。そして、周囲のものがすべて一度、僕の周りから消え去った。場所も時間も空間もそこにはなかった。そこにあったのは、僕という存在と僕の想像上の君と、君の歌声のみだった。
はあ、とてもお腹いっぱいになった。夕飯は食べていなかった。お風呂には入っていた。不思議とお腹は空いていなかった。でも、その代わりに君がそれを満たしてくれた。君の声が僕の頭の中、さらには身体全体までを満たしてくれた。
実際とてもお腹がいっぱいだった。ご飯は結局食べれなかった。
そして、そのまま4時近くまで起きていた。その後は寝た。疲れていたからだろう。
今日は仕事だった。君のおかげで無事に今日も仕事を頑張れた。
君のおかげで今日も生きることができた。今日を乗り越えることができた。そして、夜が無事に明けて、今太陽の光を再び浴びることができている。全部君のおかげだ。
君がいなかったら、、、なんて考えたくはないけれども、試しに想像してみると、その先はとても暗闇の真っ暗で、そこに僕は近寄りたいとは思わない。
そして君へ。急になんだと思うかもしれないが、君へ。
どうか、今日1日を健康で元気に過ごしてほしい。死なないでほしい。生きていてほしい。当たり前ではない。みんな当たり前に"ではなく"生きている。必死に己の生を全うしている。だから、君もどうか僕と会うまで元気でいてほしい。会ってからも君の元気な姿が見たい。
君の歌。歌声。昨日の深夜からさっきまで、既に2.30回は聴いている。本当に素敵だなあ、君の歌声は。
こんなに素敵だとは想像もしていなかった。僕はこれから、想像上の君が欲しくなった時、君がいなくて、君にまだ会えなくてとてもつらい時はその歌声を聴こうと思う。
そして、僕も勝手に自分が歌っている音声を送った。それは、僕が勝手に君が僕に宛ててその歌を歌ってくれた、そして投稿してくれたと解釈したからだ。だから、僕は高校生の時に録音した弾き語りの音声を彼に送った。(それを聴いて、何か感じてくれていたら、そして僕に少しでも興味を持ってくれたら嬉しいなと思う。)
君のことをこの雑記帳に書いている時は本当に楽しい。
だって君のことだけを考えながら君について書いて、それが文字という形をとって目に見える形へと変わるのだから、こんなに幸せで嬉しいことはない。
また気持ち的につらくなったらここに書くのだろう。
あっ、太陽の光が窓から直接差し込んできた。とても気持ちがいい。生きているなあと感じられる瞬間だ。
でも、一方では早く夜になってほしいと思っている。
月を眺めたい。特に三日月を見たいから。
君の存在を例えるならば、三日月みたいだなと思う。僕の陰の部分を照らす三日月。
だから、僕は早く夜になってほしいと心のどこかで願う。
僕と三日月の君。
君の歌声で再び恋に落ちた、そんな幸せな夜だった。
「読者の方へ」
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