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ロマンについて。

「ロマンがある」と言われるものは得てして無駄なものである。
先日、友人と行ったバーでサバゲーの話が盛り上がった。隣に座っていた定年退職したおじさんがなんとサバゲー経験者で銃の知識がすごかった。

「アレはね、ロマンですよ」という銃の画像を見ると、なるほど無駄が多い。そこがかっいいのだが。
技術は煮詰まってくると無駄がなくなり洗練されてくる。そういったものは機能美というものもあるが、無骨で、機能性も乏しく、変な見た目の銃のほうがオレは好きだ。

アメ車もそうであろう。あんなに角張っていて、デカくて燃費は今の車に比べたら最悪、操作性も悪くい。だがかっこいい。「ロマンがある」

自宅の裏庭をなんかいい感じにしたくていろいろいじっているのだが、たんぽぽとスギナとフキしか生えてこない。
これではオレのイメージするかっこいい庭にはならない。そんなときに、古い工場の一角に何のために使われていたかわからない何かの装置を発見した。それをもらっても良いとお許しをいただいたので早速持ち帰り裏庭に置いた。

かっこいい。

かっこいい。いきなり「廃墟感」が出た。
これまで邪魔に思っていたスギナやフキたちが突然に調和をとり始めた。かつて繁栄していた時代の遺産。ここだけは時代を取り残している。蔦が絡んでくれたら最高なんだ。
この辺りに、天然石で区切った花壇を作って素敵な花を植えよう。
春には小さな花を咲かし、秋には桃色の花を咲かせる。

こんな置物、生きるのに役に立つものではない。
ただただ無駄なものである。
だが、どうしてもやってしまう。楽しいのだから。
そこに「ロマンがある」のだから。

無駄なもの、ことを愛するということがロマンというものだ。

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