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まだ旅の途中

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2025年2月の記事一覧

東京がいつも落ち着かない理由

音がする。どこに行っても耳に何かしら音が入ってくるからだ。 街へ繰り出せば、聴き飽きた流行りの音楽が流れている。電車の通り過ぎる音が聞こえる。踏切が鳴る。クラクションが鳴る。みなの話し声が空気中で波が重なる。飛行機が上空を通り過ぎる。ヘリコプターの羽音が聞こえる。 地上から空から、地下から。全方位から絶え間なく音が鳴り続ける。しかも、人間の作り出した心地の悪い音が何度も同じように流れる。その音を聞くと人は思い出す。あの電車の中でで怒られた思い出、ざわざわと自分の噂をされて

視野は狭めてからじゃ遅い

国公立しかない。高校生の時はそう思っていた。でも、東京に来てからはそんなことないと酷く後悔した。 福岡県で18年間過ごしてきた。それまでは県外に出たことがないし、県外の人と交流する機会もない。だから、周りの環境から言われることがすべて正しい世界だった。 学費が安いから国公立を。私立は全く見向きもせず、幅を狭めて受験に挑んだ。結果、第一志望にはいけなかった。でも、国公立の2大学に受かり、その片方に通っている。 大学生になって関西に出た。高校とは違って、全国から学生が集まる

コミュニティに属する恐怖

わたしがいろんなコミュニティに属したいのは、同じ場所に留まってしまうことへの恐怖からだと思う。 新しい人に会う。自己紹介をする。地元が一緒で仲良くなる。仲良し度には何段階かあるが、初段階を突破した後の人間関係が苦手だ。人との関係が深まるほど、世界が閉鎖されていく感覚がある。 良い人間関係を築くほど、同じ人と会いたくなって、価値観を共有して、共感して、擦り合わせて。その人との時間が増えるほど、他の人との時間や一人の時間が少なくなっていく。 圧倒的に成長したいとかは別に思わ

歯磨きの意味

そんなことしてなんになるの?とよく言われるわけでないが、誰からかそう思われてる気がする。 別に何の意味もない。なんで何かをするのに必ず"理由"をつけなくちゃならないのか。それを言ったら、あなたがみているそのショート動画には一体何の意味があるんだ? 歯磨きはなんとなく毎日やってる。でも、歯磨きしている時に、本来の目的である(歯を健康に保つ)ということは考えないだろう。なんか気持ち悪いからやる。そんな程度である。お風呂も一緒だ。 大抵の続いていることは、意識せずともなんか気

恋は盲目、結婚生活は4K

恋は盲目。恋は盲目。恋は盲目。 ドラマや小説、映画で何度も耳にした言葉だ。実際にわたしも体験している。恋をしているときというのは、ほんとうに周りが見えなくなる。LINEがいつ帰ってくるか気になるし、今何しているか考えちゃうし、相手の良いところしかみえない。都合の悪いところはすべて見ないようにするのが恋愛だ。 結婚生活はどうだろう。 まだ結婚をしたことがないから本当のことはわからない。でも、解像度は限りなく上がるだろう。いいところもその逆も、無意識的に見えてくる。2人屋根

命の危険がない。だから人は悩む

人間という生き物は、動物の生態系のどこにも位置していない。いつかの理科の授業でとっくに履修済みだ。陸がライオンで空が鷹で、海がシャチだったかな。生態系というどうしようもないものを作り出す動物なんだから、それを眺める第三者であることは自明である。 人は他の動物よりも命を落とす心配をしなくてもいい。唯一心配する対象といえば、あなたの隣にいるヒトという生き物くらいだ。(先進国であれば)日常生活にライオンなんていないし、鷹からすれば人間なんて食糧を奪う対象でしかない。もしかしたらそ

気遣われすぎると疲れる

ありがた迷惑。 こんな言葉が流行ったのは、発音したときのリズムがいいからだろうか。 気遣いというのは、なんともありがたいものである。重い荷物を持ってくれたり、遠くのものをとってきてくれたり、「大丈夫?」といつも顔色を窺ってくれたり。 でも、行き過ぎは辛い。何事もそうだ。自分では善いと思っていることでも、やりすぎには注意である。自分で買ったものは自分で持って帰りたいのにわざわざ荷物を持たれる。休憩と思って席を外して、少し歩いたら取れるものを先回りされて持ってこられる。常に

"まねっこ"から始める

憧れている生活がある。 観葉植物で溢れた部屋の中で、猫と暮らしながら、レコードを流して、コーヒーを淹れ、本を読む。インドアな生活が中心だけれど、たまには外に出る。美術館に行く。図書館に行く。書店にも足を運ぶ。温泉にも行って、美味しいものも食べる。五感をゆっくり使った暮らしがしたい。できるだけ、何にも追われない生活がしたい。 そんな生活をしているのが、わたしの尊敬するVloggerのnaoさんだ。 落ち着いたらVlogも撮ってみたい。大変だろうけど。(そもそもカメラを買う

場所と音楽は密接に結びつく

数年前、実家の福岡を出て、兵庫県の姫路市というところに住んでいた。生まれて初めてのバイト先は、姫路駅の目の前にあるドトール。駅から家まで離れていたため、姫路城の隣を通って出勤していた。 その頃、何やらUNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介が新しいバンドを始めるらしい、という噂が流れてきた。その名もXIIX(Ten Twenty)。はじめてのアルバムであるWhite Whiteを聞きながら毎日通勤していた。だから久しぶりに城の近くを訪れると、脳内で「Light &

3分の感じ方

この記事は約3分で読めます。 退屈に感じるできごとには長く、ワクワクするできごとには短く時間を感じる。 カップラーメンができあがるまでの3分。インスタントラーメンという名の通り、早く手軽に完成することがいいことなのに、なんだか長く感じる。 病院の待ち時間の3分。たぶんいつも混んでいるであろう病院が3分で診察してもらえる。そう感じると短く思えてくる。 ストレッチの3分。動画を見て身体を伸ばす。たった3分でできる!とタイトルにあっても、人は3分もかかるのかと思い、三日坊主

休みの日の「早く起きれない」を解決する

休みの日。土日は11時とか13時とかに目が覚めるのが普通だった。実際、10時くらいには目が覚めているのだけれど、スマホを触ったり、二度寝をしたりしていると、気づいたらこんな時間に!ということが多い。 まずい、と思ったときには遅い。お昼に目覚めると、1日が急激に短くなったように感じる。というか、実際に短くなっているわけだが。朝と昼ご飯を一緒に済ませ、ダラダラとYouTubeをみて。気づいたら16時。夜ご飯のことを考え出し、スーパーに行き、食材を買って料理をしだすと18時。ご飯

寝る時間と寝付く時間

寝ようと思った時間に寝られないのが人間という生き物だ。今日は24時になる前には寝る!というシンデレラルールも、気づいたらまぁ明日でいっか、となって結局起きられないのがオチだ。 時間は22:50。今日は早く寝られる。そう喜んでベッドに入る。少しだけと思ってツイッターを眺める。雑多な投稿にいいねを押し、眺め、気づいたら23:30になっている。 流石に寝ないとと思い、ベッド横のライトを消す。上を向き、目を瞑る。寝る前は昔話をよく思い出す。未来の話よりも過去の話をよく思い返す。