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食べ物読書 ごはんぐるり/西加奈子

実はわたし、読書が好きなんです。以外と。

なので食べ物がテーマの本、
食べ物が美味しそうな本、
勝手に食べ物に結びつけて話したいだけの本。

自分の思ったことと一緒に紹介しちゃいます。
(※内容言っちゃうので、ネタバレ注意です!)

第1回!西加奈子 『ごはんぐるり』

記念すべき(?)第1回に選んだのは、
単純に西加奈子さんの作品が
ただただ好きだから。

小説を好きで読むようになったのは、
ここ2、3年のことですが
私の中では一番好きな作家さんです。

ただし今回の「ごはんぐるり」はエッセイ集。
ごはんをテーマにして、西加奈子さんの体験や感じたことが徒然なるままに書かれています。

その中で感動したのが、活字の食べ物について。

現実では見たことのない外国の料理名に
想像を膨らませたり、
活字で見る「ほうれんそうのおひたし」と
自分の食べる「ほうれん草のおひたし」が
違うものに感じたり。

活字を読みながら想像した食べ物って、
すごく美味しそうに感じると思うんです。

自分の中でとっておきをイメージするから、
理想がとても高くなるんです。
実際、食べてみたら想像してたよりは
普通だったりして。

その感覚を持ったのはいつだったかな、
と思い出すと
わたしは小学生の頃に読んだ本を思い出します。

例えば、「エルマーとりゅう」

有名な児童文学ですが、その中でみかんが出てきます。

小さな頃私は、挿絵に出てきたまん丸なみかん。
しかもみかん島の、木からもぎたてのみかん。
甘くてジューシーで、とてつもなく美味しいものだとイメージしていました。

そこでエルマーとりゅうは、みかんを十九食べました
エルマーは、リュックサックに入るだけのみかんをつめこみました。みんなで六十九はいりました。

こんなにみかんが好きなんだなぁ。
みかん島のだし、とても美味しいんだろうなぁ。
と思っていたわたし。

とてつもない数字。
今見ると、味については特に書いてなくて
数字での描写ばかり。

それでも、私は24年生きてきて、
あの時想像したみかんほど
美味しいみかんには巡り会えていません。

「ごはんぐるり」を読んで、
その感情、わたしも知ってます!と
懐かしい共感にハッとなる。

言葉を読んで、美味しそうだな…と
胸躍らせる感覚を
忘れたくないなと。

西加奈子さんみたいに
言葉で描かれたものに対して、
素直な感覚でいたいなと
羨ましく思います。

他のエッセイでも、
好きな人とデートしたいお店でその人の好みがわかるとか
海外の料理を教わりに行って、味だけではなくその国の考え方がわかったりとか。

食は人に密接に関わるぶん
その人の性格や、国ごとの文化
自分の好みがわかっちゃううんじゃないか…と思ったり。

食べ物がより一層美味しくなる、素敵な一冊です。

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