シャトレーゼが亀屋万年堂を買収!老舗和菓子店のブランドを手に入れる
今日、こんなニュースが飛び込んできました。
今日はシャトレーゼの亀屋万年堂買収について、ネーミングやブランディングの観点から、つらつらと語ってみたいと思います。
▶亀屋万年堂と言えば「ナボナ」のCM!
亀屋万年堂というと、何と言っても1960-70年代、巨人軍の王選手が出演していた「ナボナ」のTVCMが印象的です。
「ナボナはお菓子のホームラン王です」
改めて見てみると、凄いキャッチコピーよね、これは。
この頃、巨人軍はV9時代。プロ野球は巨人一色。その中で、ミスター長嶋と人気を二分していた世界のホームラン王・王貞治。
王選手だからこそ言える、いや、王選手以外のどの選手にも言えないでしょ、このセリフは。
それにしても、よく出演にOKを出したよね王選手。こんなベタなCMに。しばらくしたら、「『森の詩』もよろしく」って、新商品の紹介もさせられてたからね。
調べたところ、亀屋萬年堂・創業者の娘婿が同じ巨人軍の国松彰さん! 先輩に言われたから断れなかったんでしょうね(笑)
でも、実際、このCMの威力は絶大で、南関東の小さな菓子店が一躍全国区の知名度を獲得しました。
僕らが子供の頃、親父さんがお土産に「ナボナ」を買ってきてくれると嬉しかったもんですよ。あの「ナボナ」だ!ってね。
余談ですが、よく間違えられるのが、「やったねパパ。明日はホームランだ!」というCM。こちらは亀屋万年堂ではなく、吉野家のCMです。
▶ネーミングの本命は「ナボナ」ではなかった
この誰もが知ってる「ナボナ」という名前。実はネーミングの本命ではなかったそうです。
ウィキペディアによると、
「ナポリ」の名で販売していたのであるが、商標登録を申請しようとしたところ、すでに他の菓子メーカーの商標となっていたことが判明し、・・・同じイタリアのローマ市にある「ナボナ広場(ナヴォーナ広場)」にちなんで改名した
とあります。
要するに、「ナボナ」は第1希望の商品名ではなく、早いもの勝ちの商標登録競争に破れた結果の産物だったということです。
もし、「ナボナ」が「ナポリ」だったら。これだけの知名度を持つ人気商品になったかどうか? 興味深いですね。
▶シャトレーゼの目的は「ナボナ」ではなく、老舗和菓子店の看板
ナボナはブッセという洋菓子。
「洋風どらやき」というコンセプトで開発されたお菓子で、クリームをふわふわのカステラでサンドしたものです。
どらやきよりオシャレな雰囲気。「ナボナ」というネーミングも和菓子とは違う高級感・特別感を醸し出し、子供にも人気だったんです。
しかし、どうやらシャトレーゼの目的はこの人気商品「ナボナ」ではないようです。
冒頭の日経の記事によると、シャトレーゼHD会長・斉藤寛氏は、
シャトレーゼも和菓子を扱ってきたが、ほかの和菓子店と比べて和菓子のブランドイメージは弱い。
亀屋万年堂は元プロ野球巨人軍の王貞治さんが出演した『ナボナ』のコマーシャルで知られブランド力が高い。
全国展開に向けて亀屋万年堂のブランドは魅力的だ。
と語っています。
即ち、洋菓子のナボナではなく、老舗和菓子店「亀屋万年堂」の看板が目的だったと語っています。
【指定商品】第30類: 菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,酒かす
(引用元:J-Platpat)
以前、埼玉県の川口に住んでいた頃、自宅の近くにシャトレーゼがあり、よく買いに行っていました。
生ケーキ、焼菓子、アイスクリーム等の洋菓子だけでなく、カップ入りのミニ団子や煎餅・あられ類も扱っていました。でも、洋菓子に比べると、その存在感は薄かったような...。
この和菓子部門テコ入れの切り札として、老舗和菓子店「亀屋万年堂」の看板が欲しかったんでしょうね。
新興企業のシャトレーゼと老舗の亀屋万年堂。
新旧菓子店の融合が今後、どんな化学反応を起こすのか。要チェックです!
では今日はこの辺で。
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