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こども基本法と心の保育|子ども心がわかれば明日の保育が見通せる
先日、大池けいあい保育園で開催された「こども基本法と心の保育~子ども心がわかれば明日の保育が見通せる~」の心の保育セミナーに参加しました。講師は、子どもと保育研究所ぷろほ理事長・九州大谷短期大学名誉教授の山田眞理子先生です。
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今回のnoteでは、セミナーで学んだことの一部を紹介したいと思います。
(※一部、弊社が追記している箇所もあります)
こども基本法 6つの基本理念
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本セミナーでは、まず、こども基本法の6つの基本理念について一つ一つ確認しました。
①個人として大切にされるということは、“子ども”としてではなく、“一人の人間としてそこにいる”ことが尊重されるということ。
②ヤングケアラーの問題が近年増えている。
③「自分に直接関係すること」という部分が大切。例えば、子どもたちがかいた絵を教室に貼っているが、そもそも子どもたちに「あなたの絵を教室に貼っていいですか?」とたずねているのか。
④子どもの年齢や発達の程度に応じて、その子の体験がどれほどあるか。子どもは自分の経験からしか学べない。子どもに体験させていないのに「うちの子、これが好きなんです」と言うのはよくない。
⑤家庭が困っていたら家庭を支援する。子どもだけの支援ではない。
⑥子育ては大変という社会を変えないといけない。親が子どもを育てるのが楽しいといえる社会をつくっていきましょう。
子どもに関わる人は、2023年4月に施行されたこども基本法の基本理念をしっかり自分の中に落とし込むとよいと山田先生は話されていました。
子どもたちの死亡原因と大人がすべきこと
・10歳から39歳までの年代において、死亡原因の第一位は自殺。
ー厚生労働省 人口統計資料表(2022)
・なぜ死にたいのか
→毎日が楽しくない💦きっと大きくなったら楽しいだろうと思えない💦 大人になったら、たくさん楽しいことが待っていると思えない💦
・大人はどうしたらいいか?
→大人が毎日楽しく生きてること、それを子どもに語る。子どもは大人を見て、判断している。
保育・教育における子ども憲章
山田先生や大池けいあい保育園の辻園長先生ら有志約20人でつくる「保育における子どもの権利を考える会」が、保育や教育現場で子どもと向き合う大人へ向けた「保育・教育における子ども憲章」(下記画像)を作成しました。これは、子どもの権利条約とこども基本法をもとに9項目にまとめたものだそうです。
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各項目は、一人称「わたし」にしているところがポイント。山田先生は、「子どもが言っていると思って読んでほしい」と話されていました。
給食の時、嫌いな食べ物を床に落とす子どもがいたら…
セミナーではグループになって話し合う時間もありました。例えば、「給食の時、わざと嫌いな食べ物を床に落とす子どもがいたら、あなたならどうする?」
→「もったいないから食べなさい」、「そんなことしたらダメ」と叱る。
これでよいだろうか。好き嫌いをなくす、完食指導があるが、これにより給食の時間が地獄と感じてしまう子どもがいる。この場面で大切なことは、この子は嫌いなものを嫌いと言えなかったということ。この時に保育士として手助けができていなかったことに気づくことが大事。子どもがしていることはすべて先生に教えてくれている。「あれ?」と感じることをチャンスにすることが重要。
各グループ内で出た意見としては、子どもが思ったことや感じたことをそのまま言える雰囲気と関係づくりについてや、子どもの気持ちは十分汲み取った上で、食べ物の大切さについては伝えていきたいなどのアイデアがあがっていました。
感想
今回のセミナーでよく出ていたことが、「Noといえる力が大事」ということです。山田先生は、お孫さんとのエピソードや『だるまちゃんとてんぐちゃん』の絵本を例にその大切さや背景を教えてくださいました。
これは、前回学んだ内容と重なる部分があります。
Noといえる力は、性犯罪やいじめなどの被害防止にも繋がります。
子どもたちがNoといえるためには、日常的に子どもたちの意見をきいたり、言いやすい雰囲気をつくったりしなければいけません。そして、Noと言ったあなたを怒らないし、責めないし、どんなあなたでも大切な存在だよと伝え続けていく必要があると感じました。
忙しい日々の中で、大人の都合で動くことも多く、子どもの意見をないがしろにすることもあるかもしれません。
大池けいあい保育園では、子ども憲章を園内に掲示するほか、職員の研修で使用することもあるそうです。
子どもの気持ちを代弁している子ども憲章を常に目が留まるところに貼って、小さな人たちの気持ちを忘れないように、彼らの育ちを支えていこうと決意を新たにしました。
また、山田先生が紹介していたように、子どもの感性は本当におもしろく、時に「ハッ!」とさせられたり、ジーンとしたりすることもあります。子どもという限定された期間を子どもたちや周りの大人と楽しみ、それを発信していくことも私たちの役割なのだと再認識しました。
【参考】
「保育・教育における子ども憲章」が毎日新聞と西日本新聞に掲載されたそうです。
辻園長先生のおすすめ本
▼『機微を見つめる~心の保育入門~』山田真理子 著
▼『「生きる力」の強い子を育てる』天外伺朗
おまけ
主催された大池けいあい保育園の門をあけると、今回も素敵な花道がありましたよ。
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休憩時間にアイスクリームの差し入れも♪
いつもさりげない心遣いをしてくださり、心がほんわかします。園内も見学させていただきましたが、先生方の雰囲気もやわらかく自然体で、子どもたちにとって保育園が心も体も安心・安全な場所だと認識している様子が伝わります。
大池けいあい保育園では、様々なイベントや勉強会を企画されています。詳しくは、園のホームページを確認してくださいね。
これまで弊社が参加した勉強会はこちらです。学びのシェアをしていますのでのぞいてみてください!
最後に、この日の、「大池けいあい保育園」様の研修と見学には、弊社保育ソーシャルワークサポートをご契約いただいている、福岡市東区の静ヶ丘保育園の園長先生もお誘いしました。
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静ヶ丘保育園の園長先生は、足の裏をしっかり地につけて、大地を踏みしめている感じの方。だからバランス感覚というか、指し示す方向がまっすぐ。
誤魔化しは全く通用しません。(誤魔化すつもりは全くありませんが)
弊社の担当ソーシャルワーカーも、月1回の訪問の時は、いつも真剣勝負を繰り広げています。
子どもの未来、そして、それを育む園の未来をしっかり作っていこうとなさっているのが、バシバシ伝わってきます。
そんな静ヶ丘保育園の園長先生を大池けいあい保育園にお繋ぎできた本日。どちらの先生にとっても実りある出逢いになったようです。
これからこの2園の関りとお繋がりはぐんぐん加速していかれることでしょう(*^^*)
オフィシャルな園長会ではなく、同じ志や想いをもった園長先生方、悩みがある園長先生に、その悩みをちょっと前に経験し、乗り越えた園長先生にお繋ぎするようなことも弊社では積極的に行っていきたいと思っています。
そのうち、「園長先生方の焚火を囲んでの集い」なんかも実施したいなーと妄想しているところです。心理的安全が約束された場所で、ゆっくり焚火の火を見ながら語らいましょう(^^♪
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