キャッシュポジションの考え方と使い方
オンライン/オフライン問わず、様々な情報が出回る株式投資界隈ですが、現金比率やキャッシュポジションに関しては興味深いテーマかも知れません。
各々の投資スタイルや戦略によって、当然キャッシュポジションについての考え方や役割は変わって来ますが、筆者のようなインデックスファンドをメインに投資している個人はキャッシュポジションをどのように扱っていくのがいいのか。
この悩ましい問題に向き合って行こうと思います。
個人的なキーワードとしては“金融理論的合理性とメンタル的合理性”です。
今回は生活防衛費のような論点は抜きにして、あくまで投資可能資金の範囲でのキャッシュポジションについて考えていきます。
フルインベストメント
インデックス投資家の中では割りと多い印象ですが、手持ちの現金は殆どなく、株式などのリスク資産に全振りスタイル。
サラリーマンなど安定収益のある投資家が採用しやすいスタイルかなと勝手に思っていますが、より多く、より長くマーケットに資産を晒すことがリターンを最大化するという金融理論に基づいた合理性の追及です。
当然、資産全体の引き受けるリスク(変動幅)も大きくなるので、自身のリスク許容度をしっかりと理解した上で採用すべき戦略でしょう。
現金比率や金額を任意設定
投資可能資金の「◯%を現金、◯%をリスク資産」や「◯◯万円を常に現金で持っておく」というように自身の状況やリスク許容度に合わせ、事前に決めてポートフォリオ管理をするパターンも良くありますね。
「カウチポテトポートフォリオ」が割と有名でしょうか。
カウチポテトポートフォリオとは「株式等リスク資産50%:現金等無リスク資産50%」とするようなポートフォリオです。
50:50で持つので、例えばリーマンショックの様な暴落時に株式は▲50%ほどの値動きをしますが、カウチポテトポートフォリオ全体としては▲25%の値動きとなり、ポートフォリオ全体のリスク(変動幅)をマイルドに出来ます。
定期的なメンテナンスとして、大きく比率が動いた時や年1回など定期的に50:50の比率になるようリバランスをすることにより、株価が高いときには利益確定をして現金に、逆に株価が低いときには株式を買い増したりと個人投資家の犯す過ち(高値買い、底値売り)を機械的に回避することが出来ます。
筆者の現金ポジションについて
ここからは、私パラディソの現金ポジションの使い方と考え方について書いていこうと思います。
基本的には金融理論に忠実に行きたい派であり、サラリーマンなので毎月安定収益があり、まだ30代なので投資可能時間もそれなりに残されています。
よって、合理的に考えればフルインベストメントが良いのだろうと考えています。
しかし、実態としては自分名義の証券口座(投資可能資金)の中に現金を4,700,000円前後保有している状態です。※2024年2月末時点
自分で書いていてなんですが、とても矛盾していますね。
結論を言えば、金融理論的合理性には完全には沿っておらず、メンタル管理を含めたメンタル合理性により重きを置いています。
その理由は長く気楽に投資を続ける為です。
大前提として、新NISAを活用していく上で、現在特定口座で保有している株式を売ることなく非課税枠という有利な制度を最短で活用しきって、可能な限り長い時間リスク資産をマーケットに晒しておきたいと考えています。
そうすると、2024年からのNISA制度のもとでは、5年で1800万円(1年で360万円上限)の新規入金力が必要です。
今現在は運が良いことに、毎月のサラリーから家族を含めた生活満足度を落とすことなく毎月30万円(年間360万円)以上の新規入金が可能になっています。
しかし、中小ベンチャーのオーナー企業勤務の筆者ゆえ、向こう5年間、現所得を維持できるのかは全く読めませんし、維持出来る自信もありません笑。
一方、家族と日々満足度高く、楽しくおかしく過ごすのに必要な生活費、必要経費はある程度正確に読めています。
要するに、所得(年収)が下がったり、仮に転職することになったとしても、日々の生活満足度も変えずに、投資ペースも金額も変えずに向こう5年計画を遂行しきるための保険が筆者には必要でした。
勤め先の業績や自身の評価、それに伴う所得の増減にビクビクして精神衛生を害する日々を送るのは真っ平ゴメンなんですよね、QOL駄々下がりです。
「400万円以上のキャッシュポジション」
これを今年を除く(※今年の年俸は概ね決まっているので)向こう4年間で考えれば年間手取りが100万円減(額面年収ベースで140万円(月額11万ほど)減)でも生活も投資ペースも守りながらNISA枠を使い切れる計算となります。
仮に向こう2年間、現水準の所得を維持し、残期間3年で考えれば年間手取りが133万円減(額面年収ベースで165万円減ほど)、残期間2年で考えれば年間手取りが200万円減(額面年収ベースで250万円減ほど)でも耐えられます。
5年もあればその間に今時点で想像も出来ないことが起こっても不思議ではありません。
あのリーマンショックも、多くの人が想像できずに世界中で甚大なダメージを与えました。日本でリストラが横行したのもこの時でしたね。
リーマンショック当時2008年は”内定取り消し”が話題になりました。翌2009年の就職難は就職氷河期に次いで職に就くことが難しい時代でもありました。
ちなみに、筆者は2009年新卒として社会に出ましたが、求人雑誌のタウンワークが今では考えられないくらい薄かったです。
リストラはあれど求人なんて本当に無いんです。まぁ、そのタウンワークの広告枠を売る仕事をしていたんですけどね。。。
極端なリスク(例えば稼ぎがゼロになる等)を考えてもキリがないので、ある程度現実的なラインで危機を想定し、計画変更を極力しないで済むよう備え、ヘッジしておく。
このように考えた結論が現時点の筆者の現金ポジションの意味です。
もし、運良く向こう5年間所得が維持でき、1800万の非課税枠をフル活用出来た暁には、特定口座で株でも買おうと思います。
完
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