【短編小説】富国強兵行の最終電車
結婚をした。
かつてはめでたいお祝とされていたことらしいが、今はもう随分と違っている。生まれた瞬間に検査されたDNAと学業の成績や私生活の蛍光から国家が自動的にマッチングした相手が生涯の伴侶となる。
この制度はなかなかのもので離婚率は激減した。現在はまず0.01%を上回る事が無いらしい。おかげで出生率は高く他の先進国を遥かに凌駕しているらしい。大本営発表。わが国力は他国を圧倒的に凌駕せり。
これは聞いた話でしかないが、DNAエリート(当然、学業も私生活も優秀だ)たちはそう言った人間たちとマッチングされるらしく、階級と言うか優秀さの分断は激しいようだ。優秀さの一極集中。我が国はこれらの優秀なひとによって進歩している。
当然、逆に劣性の方は劣性の方でマッチングされるとかで、自然と淘汰されるようになっていると聞いた。病人じゃ意志薄弱者などはそれら同志でマッチングさせられる。結果的に脆弱な遺伝子がくっついてより脆弱な子どもが少数生まれ、淘汰されていく。
ッターン!!
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