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車列の間をすり抜けて先頭に出ると車の中にいる男は厭そうな顔をした。 別にサイドミラー…
また若い奴らが何か問題を起こしたらしい。 歴史は繰り返すと言うが、そのスパンが短すぎ…
赤ん坊が泣いている。 ここは地獄かも知れないな、と思う。 俺は痛む肺だとか背中だとか…
ロックの先輩はくちびるの端に泡になった唾を溜めながら「原発が爆発したらそれはもうはだし…
水耕栽培の女子高生たちが金色の髪を風になびかせている。 俺はローラーブレードで走りな…
気が遠くなるような長い廊下を歩いている。 ギシギシと鳴る板張りの廊下は酷く冷たい。う…
孤独は人間を壊すけれど孤独の途上で気付ける人間は存在しない、孤独は結果だ。 その日は給料日だったし、俺にはディズニーランドやプロレス観戦に誘える友人はいないのでもしかしたら孤独なのかも知れないと思った。 職場の前にある駐輪場に置いていたバイクのハンドルカバーには鳩のフンが付着していた。 内側から弾くと、白いフンは凍っていたのか跡形もなく綺麗に剥がれて落ちた。平和は続かない。
目の前にある彫像はどうみても俺では無かった。 だがその彫像には俺の名前が書かれた札が…
脳味噌が痒い。 いや、本来は脳味噌に痛覚なんてものは無いので痒いと言うのはあり得ない…
面倒くさそうに立ち上がり、ハンガーに掛けたコートを持って出る同僚の背中をぼんやりと眺め…
地上四階を走る地下鉄がある。 夜にその電車を見ていると、投げやりに塗り潰された黒い空…
それは一瞬の出来事だった。 何が悪かったのか俺には分からない。だが実にゆっくりと始ま…
大人がすなるシコりと言ふものを、ガキの俺もしてみむとてするなり。
久しぶりに電車に乗ったんです。 通勤を自転車やバイクに変えて久しいので、あまり電車に乗る事が無くなり、電車にトイレがついている事を知って驚くくらいには世間の流れについていけなくなっています。 いちいち電車を降りずに済むとか、最終電車との天秤にかけるとかしなくて済むのはありがたいかも知れないですね。 大人になると漏らす、または漏らしそうになる事が増えます。 これは逆説的だが事実です。 経験上、この程度の便意なら次の駅まで間に合うとか考えがちだがその目測を誤るのです