【短編小説】彫像
目の前にある彫像はどうみても俺では無かった。
だがその彫像には俺の名前が書かれた札が貼られているし、見ている人たちもこれは俺なのだと言って頷きあったり俺と見比べていたりする。
毎朝、俺が鏡の中で見ている自分と言うのが変化しているのは理解しているつもりだ。
太ったり痩せたり、クマが浮き出ていたり肌が荒れていたりと色々な変化がある。
だが目の前の彫像はそういった変化とは違う、まるで俺自身とは似ても似つかないものだ。
不気味の谷、などと言うものでは無い。
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