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【短編小説】ロックの先輩
ロックの先輩はくちびるの端に泡になった唾を溜めながら「原発が爆発したらそれはもうはだしのゲンなんだよ」と言った。
「皮膚が溶けてドロドロになって死ぬんだ」
そう言って自宅から持ち込んだ安酒をウーロンハイに入れて飲んだ。
「それは放射能の所為じゃないよ」
ぼくは努めて冷静に言うけれど、先輩は目を見開いて
「なるんだよ、はだしのゲンくらい読んだ方がいいよ、作家だろ」
と言った。
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