最近読んだおすすめ本 〜2022年9月&10月〜
ここ二ヶ月で読んだ本の中で、特におすすめの小説を紹介していきまっす。
夜がうたた寝してる間に(君嶋彼方)
デビュー作『君の顔では泣けない』で大ファンになった君嶋彼方先生の第二作。
『時間を止められる』という特殊能力を持った男子高校生のお話。
作中では、主人公以外にも、『瞬間移動ができる』『人の感情を読み取れる』といった特殊能力を持つ生徒が登場する。
この物語で面白いのは、そういった『特殊能力を持つ人間』が、特殊能力を持たない人間が大半の社会の中で、圧倒的なマイノリティとして描かれている、という点。
マイノリティゆえの葛藤や悩み、周囲からの偏見――そういった複雑な心情を、君嶋先生らしく、ときに繊細に、ときに軽快に描いている。
デビュー作『君の顔では泣けない』を読んだときにも思ったのだが、私は君嶋先生の言葉のチョイスというか、表現の仕方がなんかツボみたいです。なんか好き。なんか引き込まれる。気が早いけど次回作も楽しみ。
方舟(夕木春央)
読書好き界隈で、空前のブームになっている。
読んだ人はもれなく全員
『何言ってもネタバレになるから何も言えない!!!!』
『とにかく読んで!!!』
という、拙い感想しか述べられなくなることで話題の今作(笑)
ブームにはなるべく乗っかっておきたい私も早速読んでみた。
結果
『何も言えねぇ……!!!』
となった(笑)
まじでこれはネタバレ厳禁な案件ですわ。
爆弾(呉 勝浩)
ここ最近読んだ本の中で、間違いなく一番のヒット作。
めっっっっっっちゃくちゃ面白かったっす!!!!!
直木賞ノミネートで知ったけれど、直木賞は残念ながら獲れなかったので、せめて!! 本屋大賞にノミネートされてほしい! マジでいろんな人に読んでほしい!!!! ちょー面白いから!!!!
私の好きなYouTuberさんは、この作品を『読むジェットコースター』と評していたけれど、まさにその通り!
ハラハラドキドキの連続、緊迫感のある登場人物同士のやりとり、予測不能な展開。後半の後半で襲いかかる怒涛の伏線回収。
お、おもろすぎるやろーーーー!!!!!
久しぶりに、のめり込むように物語に没入してしまった。こういう素晴らしすぎる体験ができるから、読書って最高なんですわ。
物語の構造もかなりシンプルで分かりやすいので、ミステリー初心者にもぜひおすすめしたい一冊!
夜市(恒川光太郎)
軽い気持ちで読み始めたら、すーーごく良い余韻を残していった……不思議な魅力のある作品。
ジャンルでいったら『和風ファンタジー×ホラー』になるのかな?
ホラーといっても、お化けとか、この世の者ではない何かが襲ってくるとか、そういうタイプの怖さではなく。
どことなく神秘的で、妖しさと美しさが混ざり合った世界観。入ってはいけない場所に足を踏み入れてしまった背徳感。
という感じ。
これだけで、こういうのが好きなタイプの人は興味そそられると思うけれども。
普段、和風ファンタジーとか読まない私でも、抵抗なくすっと入り込めたし、映像として主人公たちが置かれた状況がありありと浮かんでくる。しかも、後半にかけて「まさか!」という予想外の展開もあり。
短編でありながら、とてつもない完成度の高さを感じさせた、存在感のある一作でした。
【まとめ】
以上、まとめでした〜。
特に十月は、自分が思ってたよりも多い冊数を読むことができました。
まだ積んでる本もたくさんあるし、買ってない本で読みたい作品もたくさんあるし。
まあでも……慌てずにね、自分にとって、無理のない心地いいペースで(これ大事!!)、これからも読書を続けたいと思いまっす。
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