夜の眠りは、
夜になり一度死ぬ身も明日には生まれ変わって輪廻転生
(YORU NI NARI ICHIDO SHINU MI MO ASHITA NIWA UMAREKAWATTE RINNETENSHOU)
夜の眠りは、ルーティンみたいに日々繰り返される
ささやかなこの世界とのお別れだと思う。
棺の中でもそうなるみたいに体をベッドに横たえ、
永遠ではなくしばらくの眠りのために目を閉じる。
脳の働きも他の体の機能も静止したり穏やかになったり
して、新しい目覚めと朝を待つ。
目覚めた後の自分は眠る前の自分と何も変わらないように
思えるけれど、それでもどこか生まれ変わりを果たした
ような気持ちの朝が来る。
昨日の続きだとしても、新しい今日と新しい自分だ。
たとえ昨日がどんな日だったとしても、少しだけすっきりした細胞で迎える朝はやっぱりどこかすがすがしい。
うーん、伸び。
窓を開けて空気を入れ替え、脱皮するみたいに
そろりと寝間着を脱ぐ。
窓から入る朝日が部屋にあるすべてのものを端から
浄化してゆくようで、さっぱりする。
さあ、新しい体のために朝ごはんを食べよう。
ほんのちょっとだけ厳かな気分で食器棚からお皿を出して、朝食の準備を始めた。
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読んでくださって、どうもありがとうございます**
きらめく50音の中から掬い上げた31文字が、
あなたに届くとうれしいです。
今日も明日も、あなたの毎日が素敵な日々でありますように。
あなたの人生と世界が、優しいものでありますように。
すずき春