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乾いた空気が運んでくる淡さとせつなさは、

世の中に絶えて短歌のなかりせば秋の心は淋しかりけれ(YONONAKA NI TAETE TANKA NO NAKARISEBA AKI NO KOKORO HA SABISHIKARIKERE)

やっぱり秋は歌が似合う。

春には春の爽やかな歌が、夏には夏の健やかな歌が、
冬には冬の清らかな歌を素敵だと思うことが多いけれど、
秋が持つ移ろいゆく淋しさと美しさ、乾いた空気が
運んでくる淡さとせつなさは、他のどの季節よりも
歌が内包する引力に深く呼応する。

もしも歌が昔のものとして、単に古い時代の古いものとして眠らされてしまっていたとしたら、きっと秋は少し味気ないものになっていたんじゃないかと思う。

いつの季節の歌も素敵。

だけど秋の季節に詠まれる歌と秋の季節を詠んだ歌は
それよりちょっと素敵が多い。

まだ少し暑い日もあるけれど、今年もいい季節が
巡ってきたなあと嬉しく思う、ある秋の夜。


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すずき春
読んでくださって、どうもありがとうございます** きらめく50音の中から掬い上げた31文字が、 あなたに届くとうれしいです。 今日も明日も、あなたの毎日が素敵な日々でありますように。 あなたの人生と世界が、優しいものでありますように。 すずき春