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風の中へ

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主に詩を書きます。 同じタイトルで個人詩誌も作っています。寄稿して頂ける方も募集してます。(詩・エッセイなど)
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記事一覧

しあわせのとき

しあわせのとき

ぼんやりとしている
韻律はなく
もの思わず
鬱々としている

時間が過ぎてゆく
このままが
くり返される
ムダでも断絶でもなく

何かが失われてゆく
なり行きよりも
崩落を畏れている
とりとめもなく

生きる理由は
知らなくてもいい
それを知りたいのは
わたしなのかも

見たいものはない
向上心よりも
矛盾へのただよい
上腕をかじる

生きている幸せ
うす目を開けると
そう思うしあわせ

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銀河へ

銀河へ

どう足掻いても
たどり着けない
世界がある

たいていは思考の跳躍で
タイムマシンにも
高速ロケットにも
自由に乗りうつる
ことができるのだが

人間の向かう場所は
どこだろう
ぼくには
どこにもたどり着けない
迷い子のように思われる

おどおどと
指を差しだす
窓から木漏れ日
その先に大銀河系
ずっと夢の果て

二人の近況

二人の近況

お腹が痛い
と母がいう
診てもらったばかり
痛いというからには
たしかにそうなのだろう
他人の痛みは
入れ替わりでもしないかぎり
どれくらいか分からない
だから訴えどおりに
また医者に行くかと尋ねると
痛くなりそうな気がするという

そんなやり取りをくり返し
一夜が明けるころに
ようやく鎮まる
どこかの痛みをきっかけに
二人の暮らしは
時折あわてふためく
屋根の上には
いつもの空

それだけ

私のそれは

外部との関係だった

承認であり

欲求であった

それはごく普通であり

当然でもあるだろう

ただ私の世界は

いつも狭いままであった

これからは

私の風景のためだけの

私さえもいない

ある風景のためだけの

そんな時間を少しでも持とう

待ち合わせ

俺は初めての彼女を待っていた。
本当は彼女など居なかった。
妄想の中の彼女を、
現実の都会の 雑踏の中で待っていた。
立ちつくして 一日待っていた。
馬鹿な奴だと、俺は思った。
#100文字ドラマ

失恋

僕が考えなければ

世界は

なかったことになる

僕が描かなければ

世界は

なかったことになる

僕が消滅させれば

世界は

なかったことになる

僕が想えば

世界は

ふたたび表れる

そんな明滅する

世界に

僕はこころ痛める