シェア
鈴木ひろゆき
2021年8月11日 03:26
ぼんやりとしている韻律はなくもの思わず鬱々としている時間が過ぎてゆくこのままがくり返されるムダでも断絶でもなく何かが失われてゆくなり行きよりも崩落を畏れているとりとめもなく生きる理由は知らなくてもいいそれを知りたいのはわたしなのかも 見たいものはない向上心よりも矛盾へのただよい上腕をかじる生きている幸せうす目を開けるとそう思うしあわせ
2021年3月8日 05:04
どう足掻いてもたどり着けない世界があるたいていは思考の跳躍でタイムマシンにも高速ロケットにも自由に乗りうつることができるのだが人間の向かう場所はどこだろうぼくにはどこにもたどり着けない迷い子のように思われるおどおどと指を差しだす窓から木漏れ日その先に大銀河系ずっと夢の果て
2021年3月5日 17:47
お腹が痛いと母がいう診てもらったばかり痛いというからにはたしかにそうなのだろう他人の痛みは入れ替わりでもしないかぎりどれくらいか分からないだから訴えどおりにまた医者に行くかと尋ねると痛くなりそうな気がするというそんなやり取りをくり返し一夜が明けるころにようやく鎮まるどこかの痛みをきっかけに二人の暮らしは時折あわてふためく屋根の上にはいつもの空
2020年3月1日 23:47
私のそれは外部との関係だった承認であり欲求であったそれはごく普通であり当然でもあるだろうただ私の世界はいつも狭いままであったこれからは私の風景のためだけの私さえもいないある風景のためだけのそんな時間を少しでも持とう
2020年1月13日 19:47
俺は初めての彼女を待っていた。本当は彼女など居なかった。妄想の中の彼女を、現実の都会の 雑踏の中で待っていた。立ちつくして 一日待っていた。馬鹿な奴だと、俺は思った。 #100文字ドラマ
2020年1月5日 04:16
僕が考えなければ世界はなかったことになる僕が描かなければ世界はなかったことになる僕が消滅させれば世界はなかったことになる僕が想えば世界はふたたび表れるそんな明滅する世界に僕はこころ痛める