SNSから少し離れる代わりに、2冊の本を持ち歩くことにした
最近、ある2冊の本をその日の気分に合わせてカバンの中に入れている。
そのことについて少しだけ記録。
○「なんとなくのSNS」を断つ
「SNSと離れてみたい」と、思ったことがきっかけだった。
Threads見ながら休憩したり、情報収集のためにInstagramを活用したりと、わたしの生活と切ってもきれないSNS。
たしかに、有益な情報も多いけど、「こんな暮らしがしたいな」「こういうのほしいな」「もっと自分も頑張らないとな」と画面越しの誰かと比較している自分がいることに気づいた。
なんなら「ああ、時間をムダにしてしまった」と思う時すらある。
もしかすると、今のSNSの使い方は自分に合っていないのかもしれないと、SNSとの付き合い方を見直すきっかけにアプリをホーム画面から消すことにした。
(全てを消してしまうのは、自分の発信の場を失ったり、友だちとの繋がりを消してしまうことになると思ったから、ホーム画面から消すだけ。)
無意識的にアプリを開いていたときは「有益な情報がほしい」より「なんとなく見ている」ことが多かった。その「なんとなく」をやめることにした。
○何回も読みたくなる2冊の本
電車での移動中、仕事の休憩中。
ふとした時に開くものを本にしてみた。
お気に入りのショップカードを栞にして、自分のペースで読み進める。
乗り換えのために4分だけ待つ駅のホーム。10分も乗らない電車の中。コーヒーを淹れて自分のために過ごす15分間。
まとまった時間が取れなくても、お気に入りのフレーズに出会える時間になる。
SNSを見て、浮き沈みしてしまう波のある生活から、凪のようにおだやかで自分を取り戻せるような時間を作るために選んだ2冊を紹介。
・『エッセイストのように生きる』(松浦弥太郎さん著)
この本は新幹線に乗り込む前に駆け込んだ本屋さんで出会った一冊。
ちょうど発売日に出会ったことと、松浦弥太郎さんの『伝わるちから』を読んだあとだったこと、「エッセイスト」という書くことを生業とする弥太郎さんのことをもっと知りたかったこと。とか、とにかく自分の中で「これは読まないと」と迷わずレジへ直行。
これは、わたしの中でアクセルを踏みたいときに読む本。
弥太郎さんのエッセイには、気づきがたくさんある。
その気づきを「秘密」と語る弥太郎さんは、日々の生活がどのように目に映っているのだろうかと不思議になる。
コップの水を飲むだけでも、たくさんの気づきがあって、ただ飲むという行為で終わらせることはない。例えば、喉を通る感覚や水の温度、コップの水滴、水を注ぐまでの作業にも思いを馳せて「コップの水を飲む」という行為を見ることができる。
そんなふうに日々の解像度を上げる弥太郎さんの生き方を尊敬するし、自分もそうなりたいと思う。
・『ゆるめる 温める 巡らせる』(鈴木七重さん著)
「自然のちからで『治る』わたしをつくる、簡単セルフケア本」として植物療法士の鈴木七重さんが書かれた本。
(「植物療法」に惹かれはじめた理由は、また後々noteにまとめたいと思ってます。)
ハーブや精油を生活に取り入れて、自分の不調を根本から整えることを目指した、植物療法。元々、PMSや生理痛で仕事を休んだり、自分の気持ちが落ち込むことが人一倍ある方だったりと婦人科系の不調を自覚していた。
だけど、中学の頃から不調があることが当たり前だったし、それを少しでも楽にしたくて婦人科系のクリニックにも通っている。
だけど七重さんは著書の中で、生理痛やPMSはないのが普通だと語られていた。
かなり衝撃的だった。
わたしの中では、ないことが珍しくて、あることが当たり前。周りに、生理痛が軽い人は少なくて、少なからず何かしら違和感を感じながら1週間を過ごしている人が多かったから。
あることが当たり前だと思っていたことが、実は「ないことが普通」だとしたら、何を変えたらいいのか。薬に頼らずになくすこともできるんじゃないか、と淡い期待を込めて、本を購入。
前々から暮らしに取り入れることが少し億劫で、難しいと感じていたハーブや香りを楽しむだけだった精油を、積極的に自分の生活に取り入れてみたい、と思わせてくれたきっかけにもなった。
「頑張ること」「我慢すること」が当たり前で、「もっと頑張らないと!」が口癖のわたしにとって、七重さんの言葉はカチカチに固まってた身体や思考を温めてゆるめてくれるお守りのような本。
ほんの少ししか開けないときでも、松村隆史さんが撮られたあの世界観を眺めるだけでもゆるまってほぐれる気がする。
これは、自分自身にブレーキをかけたいときの本。
○自分自身を取り戻すために
その日の気分で選んだ本をもって過ごすようになってから、外に向いていた目が少しずつ内側に向いてきているのを実感できている。
「その日の気分」というのも実は、大事で。
「今、わたしは何を求めているのか」「どう感じているのか」を自分と対話する練習にもなっている。それが苦手だったわたしには、いい練習。
SNSとちょっと離れる。それだけで、心が軽くなるし、本当に必要なものを見極める時間にもなった。自分の心とのバランスを見ながらSNSと付き合っていけるように、今日も自分と決めた1冊をカバンにしのびこませておこう。