2019-03-08 MarkeZine Day 2019 Spring Day2
2019/03/08 に開催された MarkeZine Day 2019 Spring Day2 のイベントレポートです。
■Day1の様子
■パルコ、ヤマト運輸、LIFULLが語り合う 最新テクノロジー活用によるCX向上
林 直孝さん [パルコ]/中西 優さん [ヤマト運輸]/野口 真史さん [LIFULL]/モデレーター:福島 芽生さん [翔泳社]
●CX向上という観点で、テクノロジー登場以前にあった課題は?どう解決しましたか?
・パルコ:林さん
・before digital
建物を立てて、接客しやすいものを載せる
・after digital
internet上に、接客しやすいものを載せる
・コンバージョンの前後がわからなかった
アプリで一連の行動をログデータとして見れるようになった
去年、来店ポイント walking coin を導入
ビルの中での行動にモチベーション喚起が肝だった
歩数計 500歩で 500ポイント:5円
-> 新しい店舗に出会ってもらう。
店舗数 2倍、単価 20〜30% up
・アプリを持っていない人はどうする?
カメラで、どんな属性の人がいるかを判別
店舗で活用してもらう
alexaでサポート
配置場所に寄って聞かれることが違う
入り口だとATMを聞かれたり
siriusbot でお客さんを案内、夜は棚卸し
AR/MRショッピング
3Dスキャナでスキャンしたお客さんに試着
店舗の装飾をリアルタイムに変えたり
・歩き回って商品が見つからないときは残念な体験
半分の人が買っていない
ウィンドウショッピング
商品が見つからなかった
・新しい店舗に出会ったお客さんを、どう判断している?
walking coinでは店舗までは把握していない
使った人 + どこで購入した は取れる
2店舗目はカフェが多いなど
カメラの画像を活用できるように法律が整った
分析可能になった
・alexaの質問でダントツでトイレなのは想定内だった?
トイレは想定内だった
設置場所によって傾向が変わることが意外だった
まだロボットは複雑な回答できないが
お客さんが課題を抱えていることがわかった
・ヤマト:中西さん
・宅急便のCX -> 宅急便の受け取り
「いつ届くの?」「待ち時間が長い」
コミュニケーションの問題
・クロネコメンバーズ
2007.11 サービス開始
「預かった荷物を安全に運ぶ」は進んでいた
「どう渡すか」は進んでいなかった
・Myカレンダーサービス
お客様の生活パターンを登録して貰えれば
受け取れるタイミングで届ける
・LINEで会話AI
受け取りタイミングをLINEで
・受け取り場所
駅の周りにPUDOを設置中
・どうやって、受け取りのCXを計測している?
不在通知、再配達依頼 のやり取り
・LIFULL:野口さん
・物件情報の登録時
画像のラベル付けに時間がかかった
AIで自動ラベリング 40sec -> 2sec
・持ち家を売却しようとした時
いくらでどのくらいの期間かかりそうかがわからない
AIでシミュレート
・街で気になる物件を見つけた時、ここに住めるか?をARでチェック
・内見中
ARで広さを計測
キッチンなどのスペースごとの評価
●最新テクノロジーを施策に取り組む時、注意することは?
・パルコ:林さん
・課題を解決するためにテクノロジーを利用する
・つくって終わりではない。カイゼンし続ける
トイレはどこ? -> トイレはどこそこです
-> お探しの施設は、どこそこです。
お客様の声からカイゼン
・ヤマト:中西さん
・カスタマージャーニーを考えている
・LIFULL:野口さん
・課題を解決するために、何を使えるか、を知識として持っておく
■ソーシャルメディア、焦点をどこに?
~本質からのピント合わせ。その価値とコミュニケーション~
西山 孝さん [電通デジタル]
●主要ソーシャルメディアの国内外鏡
・メジャーどころの月間アクティブユーザは、数千万人
・SNSは誕生から10年以上
そろそろ見直しが必要なのでは?
どこにピントを合わせるのが価値が高いのか
●人の群れを可視化する
・2005年のヒットと流行
ヒット
iPod nano
iTunes Music Store
3位: ブログ
流行語大賞
小泉劇場
想定内(外)
入賞: ブログ
web2.0
今もトレンドの中にいる
weblogs
social media
・web2.0
若手が知らないw
送り手と受け手が流動化
自由に情報発信できるように変化したweb
・点在する情報 -> 集合
hardware, software -> infoware
人類が類を見ないデータに触れられる状況が急速に整備された
・web2.0の価値基準
ユーザーの自由な情報整理
・情報の可視化
バイラル動画 Did you know?
急速にソーシャルメディアが成長
facebookが映画化もされた
後にも先にもこんな例はないのでは
・ティム・オライリー
web2.0の提唱者
infoware -> peopleware
集合知 -> 集合体
人々を密集させて、可視化
・ソーシャルメディアの本質的価値
人の群れを可視化する
●関係性の上のコミュニケーション
・マス中心
不特定多数にむけて
受容してもらいたい内容を
一方的に伝える
・パーソナライズ
不特定多数ニム行けて
個人にカスタマイズした内容を
一方的に伝える
・ソーシャル
可視化された群れの中で
生活者が発話や対話を
多方向に伝える
・可視化、つながる関係
複数の関係線でつながっていて群れを形成している
関係の間にコンテンツを置いてもらう
先の間においてもらいやすいコンテンツが必要
群れは習慣的段階的に反応
・鬼レモン
キャンペーン
鬼 が付く人とつながる
-> 周りに呼びかける
-> 鬼嫁など外れた会話も
・ハッシュタグ 世界一いらない報告
圧倒的な余白と参加動員力
・ソーシャルメディアの本質的価値
関係性の上のコミュニケーション
●マーケティングに利用
・whatの視点
話題のピークを把握
興味の対象を把握
・whoの視点
でもグラ情報、インタレストを解析
群れのtribeを捉える
セグメントごとの属性やインタレストをを把握
・whenの視点
general or brand特有のモーメントを理解
・群れから新たなファネルが生まれる
L層: エントリー
使ってみた
M層: ライト
H層: コア
欠かせない
・はじめるなら
電通デジタルに相談
●ソーシャルメディアの本質
群れの可視化
群れは、個体が生き延びるための生存戦略
変化が激しい時代に、生活者が選択した生きる知恵
群れの可視化にピントをあわせれば
生活者の線上にマーケティングのヒントになるアイデアも見えてくる
■自社外データ(2ndパーティ/3rdパーティ)を駆使して実現するターゲットの見える化とO2O効果計測
吉田 潤さん [デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム]
●D.A.C
・Hakuhodo DY holdings
・ビジネスモデル
広告会社
メディア
↑販売
↓仕入れ
デジタルテクノロジー
↑提供
↓提供
オペレオーション
↑提供
↓提供
媒体社
●データを扱う環境
・DMP
プライベートDMP
自社データ
1st partyデータ
パブリックDMP
外部データ
2nd, 3rd partyデータ
・データの種類
1st partyデータ
自ら集めることのできる事業主の自社データ
3rd partyデータ
様々なデータソースから収集された外部データ
2nd partyデータ
特定の他者より入手できる外部データ
特定メディアの訪問履歴、オフライン行動、TV視聴ログ
●DMPの利用活用の変遷
・これまでのDMPの使われ方
アクイジション領域
パブリックDMP
認知、情報収集、比較・検討
リテンション領域
プライベートDMP
顧客化、離反防止、アップセル
・これからのDMPの使い方
フルファネルマーケティング
相互にデータ連携
●課題:チャネルが多様化して不連続
・現状
認知: OFF Line
情報収集: ON Line
比較検討: ON Line
顧客化: OFF Line
離反防止 : ON Line
アップセル: OFF Line
-> 分断
・クロスデバイス推定技術
接触
ブラウザ経由
アプリ経由
マッチング
-> マッチングできる規模が必要
・2nd partyデータ
TVCM接触 -> オウンドサイト -> 来店
●課題:プライベートDMPのデータを活かしきれない
・現状
保有データ
顧客情報
連携チャネル
メール
+メッセージ配信、web接客
・顧客解像度のUP
顧客情報+興味関心
ホテル優待、住宅ローンなど
・連携チャネルを充実
様々なチャネル
・解決
外部データとDMP相互連携
●ユースケース: VODサービス
・新規加入者が減少
30代男性だけでは足りなくなってきた
・データからターゲットを選定
アンケートパネル x 3rd partyデータ
-> 家庭が大事、お父さん
-> 美意識の高いグルメ女子
・検証中
クラスタごとにクリエイティブを作成
-> 新規獲得の規模と効率を計測
●ユースケース2: 地方創生
・親和性の傘そうな媒体に「感覚的」に出向
・データから現状把握
PDCAサイクル
記事接触者 > 事前分析 > タイアップ > 事後分析戦略
-> 美意識の高い、独身のグルメ好き女性
・データでの可視化をもとに試作実行
食を重視したタイアップ
・継続
若年層未婚女性
-> グルメ
・新規
若年層既婚女性 + 観光
-> 名所化、名物化の情勢
●ユースケース3: 住宅設備メーカー
・TV広告、web広告、オウンドサイト施策がつながっているのか
・ソリューションの選定
TV視聴:通信ログ = cookie
オウンドサイト: ブラウザ = cookie
来店: アプリ = 位置情報
・レポーティング
LP訪問率、来店率
TV広告を10回見た人の来店率が高かった
-> 商材によって変わってくるはず
●まとめ
・ターゲット選定精度と効果測定の範囲が拡大
・課題
量 : ID統合して紐づく数が限定的
精度: 世帯粒度でのID、ユーザ単位でのID
■なぜアプリで個客体験は実現しないのか?~個客起点のアプリ設計とは~
田代 健太郎さん [ランチェスター]
●話すこと
インターネットやスマホの普及で
企業と顧客の関係が変化
顧客体験を重視する企業が増えた
ランチェスターに蓄積された知見
アプリを活用して人として捉える
パーソナライズされた「個客体験」へ
●ランチェスター
ことりっぷアプリ
MUJI passport
POCKET PARCO
●顧客体験
・文字にするとわかりにくいw
・好きなブランドなんだけどECサイトが使いにくい、、、
-> ZOZOへ
-> ブランドスイッチ
・商品は良いけどアフターサービスが悪い、、、
-> 類似商品もたくさん
・顧客体験
1. 認知
2. 興味、関心、来訪
3. 比較、検討、購入
4. 利用、サポート
-> アプリで支援できる範囲 2~4
-> 利用データからカイゼンループ
LTV向上
・アプリ最大の壁 = ダウンロード
ダウンロードした顧客 = 一定のロイヤリティがある
自分のことを理解してほしい
特別な体験を提供してほしい
-> 顧客ではなく個客として扱うには?
●コンセプトを明確する
・なぜコンセプトが大事なの?
ブレなくなる
複数のチャネル、システムが連携する
-> 多くの人が連携する
-> それぞれに思いがある
・コンセプトのつくり方
企業ミッション
企業として実現したいこと
日々の業務で忘れがち
顧客課題
日々の業務で感じている、顧客の課題
-> 〇〇を解決し☓☓を実現する
・パタゴニア公式アプリのコンセプト
顧客とパタゴニアの絆を深める
その結果として、共感の輪を広げて
持続可能な社会の実現に寄与する
・顧客との絆を深めるために
製品を長く使ってもらうための会員証
ポイントはたまらない
購入履歴があればシンプルな手続きで、返品・交換・修理が可能
・持続可能な社会の実現に寄与するために
共感の輪を広げるストーリー
製品情報ではなく
ミッション・ステートメントを実現するためのストーリーを配信
●個客を識別する
・個客識別のためにアプリでやること
チャネル横断で個客を一意にできるID
この計画のあとでアプリをつくる
・個客識別することで
個客体験の実現
個客の行動データを蓄積
-> カイゼンループ
・webサイトにSSO
シームレスな顧客体験
アプリ -> サイトはいつでもログイン状態
+
個客の行動データを蓄積
・全部アプリにしたらダメなの?
アプリ開発は結構大変
投資対象の見極めが必要
●カスタマージャーニーをつくる
・アプリのコンセプト
アプリを架け橋としてお客様とサロンがつながる
・サロンアプリのカスタマージャーニー
phase1
サロン予約
webサイトに構築済み
アプリからwebサイトのアカウントにログイン
予約前日通知
急な用事で来れないなど、つながりは太くなった
電話確認のコストがなくなった
phase2
読み物コンテンツ
自宅での肌のお手入れ
phase3
来店のお礼(アンケート)
メールで聞いていたが回答は少なかった
phase4検討中
自宅でのお手入れ -> 次回来店へ
・シナリオに沿ったコミュニケーション ≠ MA導入
データを持っているのはMA、CRM、基幹システム、webサイト
アプリと連携して 1to1 を実現していく
アプリと各システムを直接連携は大変
一旦アプリ専用サーバに集約、加工
・お知らせの通知方法
プッシュ通知
OFFにしている人もいる
同じ情報がアプリに残っていないことも
ポップアップ
アプリ内のおしらせ
・サロンアプリの成果
いつでも来店予約
オンライン予約増加
予約前日にリマインド
業務効率化
来店翌日にお礼通知
メールの10倍の回答率
・基幹システム + アプリで実現
●まとめ
1. コンセプトを明確にしてぶれない軸を作る
2. チャネルをこえて個客を識別、個客理解を深める
3. カスタマージャーニーを作りアプリ活用ポイントを明確にする
●アプリ開発の選択肢
・スクラッチ、パッケージ他には?
ランチェスターのEAP
導入事例
SHELL'TTER PASS
パタゴニア公式モバイルアプリ
■ANAが目指す、事業の枠組みを越えた顧客体験
稲田 剛さん [ANA X]
●世界の航空業界
・Airline Industry
・From
航空券をいかにできるか
4P
・To
航空券
Ancillary: 付帯事業
4P+
Unbundling/Customer centric/ One to One ...
・Ancillary Revenue(付帯業務収入)
規模
9.1%
7.5兆円
アメリカの大手航空会社
FFP Miles: 55%
Bggage Fees: 25%
ヨーロッパの航空会社だと、また割合が違う
マーケットに寄って変わってくるもの
・FFP(Frequent Flyer Program)の位置づけ
マイレージプログラム
コストセンター -> プロフィットセンター
ANA Xの立ち上げ時に、Lufthansa, frequentflyer を参考にした
カンパニー制
non air の収入を稼ぎ出している
air canada は切り売りでできた会社だから少し違う
●数字で見るANAマイレージクラブ
・60年の歴史
着目すべきは無形の資産。これをどう活用するか
会員数: 3,270万人
男女比: 2:1
など
●ANA Xの戦略
・顔が見えるマーケティング
・航空券 + Sear-related
事前座席指定
ラウンジなど
切り売りしたのがLCC
・旅行 + Travel-related
ホテル
レンタカー
保険
・生活 + Life-related
ペイメント
ショッピング
グルメ
趣味
旅行は一時点。生活を考える。
●Business Model
・飛行機に乗らなくても顧客になる
ANA経済圏
AMC ID Online platform
・ロイヤリティの考え方
利用頻度が高い AND か OR 関係性が強い
・マズローの欲求5段階説
・生活
満足感:お得、節約
・人生
達成感、充実感:社会貢献、学び
・このプロセスにご一緒する
-> Life Time Value が KPI、これ自体が経営になる
・Million Miler Program
●ANAマイレージクラブ事業
・国際線 特典航空券が使いやすくなる
HAWAii A380投入
A380は総2階建て
ANA COUCHii 寝そべれる
・ANA Express ●Business
ギャラリア〜アラモアナを直行
電気バス
・ANAの保険
医療、傷害、親介護、がん
会員限定だから、団体保険の扱いになる
やっているところが少なかった
・ANA Hangar Bay Cafe
第1ターミナルでopen
あえて、ではなくなってしまった
DOROQUIA HOLATHETA, The SAZABY LEAGUEとコラボ
格納庫コンセプトで
整備部門から工具を調達
あえて説明はない
忙しくないときに店員に聞いてみてくださいw
・マイルで投資 など金融も
・ANA Digital Connect
ANAデータベース x 広告配信
外部ネットワークのディスプレイ枠に広告配信
・うまく行っていないものも含めて多数やってます
●Business Model 2
・Customer
タッチポイント
・ANA Mileage Club
ビッグデータ
・Partner
●CXと経営
・戦略
ブランド
価格訴求、営業
コミュニケーション、CX、Loyalty Program
・ターゲット
新規
リピーター
・目的
営業利益 = 売上高 - 販管費 - 原価
営業利益 5:25の法則
売上高 2:8の法則
販管費 1:5の法則
一般的なものは守りつつ
・CXと課題解決
Elevator Hallの話
課題解決の発想の仕方の一つ
ディズニーのプレショーも一緒
●体制
・体制のあり方をいろいろ検討
×:現状維持
△:カンパニー制
◯:分社化
・ANAホールディングス
ANA
マーケティング室
ロイヤリティマーケティング部
全日空商事
ロイヤリティイノベーション事業部
の2部署が一緒になってスピンオフ
●ふりかえり
1. トップ・タイミング
タイミングが違えば、今とは違う形
2. 孤独・信念・仲間づくり
イケイケの説明では響かない人もいた
3. 波紋・蟻の一穴
小さくても続けていくことで実現できた
4. 人材・人財
募集要項
創造的でオープンマインド
情熱と強い意志
変化を楽しむ
成長と学びを追求
誠実で謙虚
■感想
xTech実践のノウハウや、ソーシャルメディアでの複雑ネットワークの捉え方、CXから広がる顧客の考え方、広がった顧客の幅からの個客の捉える考え方などなど、沢山ワクワクする学びをいただけました!
登壇者の皆さん、運営の皆さんありがとうございました!
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