片づけで人生が変わるのは「片付けで自己肯定感が高まり、自分を励まし続けるから」説
なぜ片づけをすると人生まで変わるのか?
「片づけ」と「人生」の間にある「ミッシングリンク(見えないつながり)」は何なのか?
今回の説は「片づけをすると自己肯定感が高まり、自分を励まし続けるから人生が変わる」である。
1.断捨離が本当に目指しているもの
この説のヒントになったのは、断捨離の提唱者のやましたひでこさんの著作「捨てる。引き算する勇気」の次の文章である。
上記の太文字にした部分によると、断捨離が目指しているものの1つとして、「自己肯定感の回復」が挙げられている。
そこで、仮に「自己肯定感が回復するから人生が変わる」と考え、自己肯定感について調べてみた。
2.自己肯定感とは?
自己肯定感について、「あかり*生き辛いOL」さんの著作「生き辛いOLですが自己肯定感を高めたら生きるのがラクになりました。」では、次のように定義されている。
そして、自己肯定感は私たちを支える「足場」のようなものと言っている。自己肯定感の上に、仕事や人間関係などがある。ささいなことで揺さぶられると、仕事や人間関係などすべてのことに影響する。
だから自己肯定感という「足場」をできるだけぐらつかないものにしたい。
3.自己肯定感が高い子どもと低い子ども
このことは、子供に対しても言える。石田勝紀さんの「子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば」(P28-29)の中で、自己肯定感の高い子どもと低い子どもの違いが述べられている。ポイントだけまとめると、
自己肯定感の高い子どもは、
逆に、自己肯定感の低い子どもは、
自己肯定感が低いと失敗を恐れる傾向があり挑戦しないので、成功体験も少なくなる。人生の変化も少ない。
それに対して自己肯定感が高いと、挑戦し成功体験が積み上がり、また挑戦する。よって自己肯定感の高い子どもの方が、人生の変化が大きい。
さて、自己肯定感の高まりで人生が変わることは、理解できた。問題は片づけによって、どのように自己肯定感が高まるのかということ。
4.片づけで高まる自己肯定感
片づけによって自己肯定感が高まることが証明できれば、今回の説が正しいと言える。
中島輝さんの「何があっても『大丈夫。』と思えるようになる自己肯定感の教科書」の中で自己肯定感は6つの「感」によって支えられていると言う。それは、
である。この6つは互いにつながっていて、1つが低くなると他もつられて低くなるが、他の「感」を高めることで低くなった「感」を高めることもできる。
さて、片づけでは、どの「感」が高まるのだろうか。
片付けは一つひとつのモノと向き合い、手放すか残すかを自分で決定する。大事なのは、今の自分が使うか使わないか。今の自分にとって必要か必要ではないか。自分で決める。モノの数だけ、「自己決定感」が高まっていく。
また、財布や引き出し、冷蔵庫など小さい単位から始め、「できた」と思える体験を増やしていくことで、「自己効力感」を高めることができる。
さらに手放す際に、人に譲ったり、売ったりすることで人の役に立てたと思えるし、捨てるにしてもきちんと分別して捨てることにより、自分が社会の役に立っていると思える「自己有用感」が高まる。
そして、自分の部屋や家が片づいたころには、自分には価値があると思えて、「自尊感情」も高まる。
5.まとめ
以上のように、片づけによって自己決定感、自己効力感、自己有用感、自尊感情などが高まり自己肯定感を押し上げ、足場がしっかりしてきて、夢や希望に挑戦しようという気持ちが芽生える。
夢への挑戦中も自己肯定感が自分を支えてくれる。失敗しても、自己肯定感という「もう一人の自分」が励ましてくれる。そして再び立ち上がり、歩き出せる。
だから片づけで人生が変わるのである。
片づけで自己肯定感を高め、人生を変えてみようと思う方が一人でも増えてくれたら、とてもうれしい。体感してほしい。
(参考文献)