白昼夢
爺さん一人 池の淵
朽ちかけた 木株に腰を掛け
みなもに写る ビル影模様に
我が身を置き換える
夢のキャンバスに
浮かぶ刹那の夢が揺れている
描いたはずの 人生ストーリー
自分を中心に回る世と
我がまま気ままの生きざまが
世に弾かれ
地獄めぐりの揺らぐ影
うき世しぐれに 吹きよせられて
似た者どうしで 水の中
惨い仕打ちを
夢に隠した 心の寒さ
いくつもの光に いくつもの闇が
渦まいて 蠢いて 自分を無くし
ひとりに怯え 迷った時
水辺に過ぎゆく日を愛してた
あなた
弱音はいたら あんたの負けと
命ふたつで 越えてきた
描いて忘れる
残らない軌跡の果て
なぐり描きした白昼夢