実は春が旬!【春牡蠣の低温調理炒め】
カキと言えば冬が旬と言うイメージが強いですが、実は春が最盛期です。カキの旨味と甘味が最大化するのは春です。理由については、カキの産卵期は夏なので、春に栄養を蓄えるためです。これは海水温が低い三陸の生産者さん達が断言する事実です。
今回のレシピでは、味わいが濃い「春牡蠣」を味わうべく、低温調理らしい炒めもの(炒め煮)を紹介します。
【カキの低温調理炒め】についての詳細
まずは、【カキの低温調理炒め】の設定です。
エビデンスについては、まずノロウィルスを死滅させる温度を選択しています。農林水産省のサイトに「中心部が85~90℃で90秒間以上の加熱」が推奨されており、加熱用のカキは「食べるときは中心部を1分間85℃以上に加熱しましょう」と記載されているとおりです。
その上で、低温調理らしい「生に近い食感」を表現すべく、下限の85℃を選択しています。この温度帯であれば中心部はレアに仕上がり、艶かしくなります。「プリッとした食感」が好きな方は低温調理ではなく、90℃以上の通常調理を行うのがベターです。
【低温調理機の設定と使用する調味料】
設定温度:85℃
設定時間:5分
調味料:好みの油や香味油、好みの味付け
※調味料の表記については、決して投げやりなのではなく、好みで作るのが美味しいからです。参考までに、僕が今回使った調味料と作り方で説明します。調味料を置き換えて頂ければ、好みの美味しい炒めものになりますよ。
僕が使った調味料:カキの低温調理時に山椒油と醤油少々、炒める際に米油、酸菜
「酸菜(スァンツァイ)」は中国の白菜の漬物で、炒め物や鍋に使うと超美味しいです。家で作れますし、ネットでも購入できます。作る場合は、白菜1/2個を白菜の重量の3%の塩で揉み込み、空気に触れさせずに乳酸発酵させます。空気に触れさせないよう、真空パックか塩水中で発酵させるのが必須です。
【調理の手順】
カキに油と調味料をまぶし、低温調理をかける
鍋に油を引き、強火で熱する
酸菜(あるいは好みの野菜)を投入して一気に炒める
カキを投入して火を止めて混ぜる
盛り付けて完成!
※酸菜は油を用いて炒める事で旨味と酸味のバランスが取れます。
※カキと投入した後は、火が入らないよう手早く、味を馴染ませます。
下ごしらえの写真(炒め煮にしています)
実食!【春牡蠣の低温調理炒め】
85℃の低温調理を行うことで、カキは全く固くなっておらず、非常にジューシィです。定番の火入れを行ったカキで作るのも美味しいですが、低温調理で作ると意外性があって楽しいです。酸菜の酸味と旨味が濃密な味わいの春牡蠣にピッタリ!
そして、ご飯のアテよりも酒のアテに仕上げることが可能です。あるいは、残った汁に春雨や素麺を入れて〆に楽しむのもアリです。
低温調理に関心のある方は、【低温調理器についてのブログ記事】もご参照ください。