一緒の夜
一緒と言っても声だけなんだ。
君の寝息や寝返りをする音を聞きながら、僕は眠れなくなった。
僕、今日は昂ってるというか、興奮してたんだ。
昼間に君に歌を歌ってさ。
恥ずかしいやら照れくさいやらで。
でもね、嬉しかったんだ。
君の前では、自信なくなるから、褒めてくれたらめちゃくちゃよろこぶよ。
そのせいで、なんだか時間の流れが昼間は早く感じちゃって。
少しだけ、寂しくて。
だから、君と夜も電話出来ることがすごく嬉しかったから。
もっと、もっと、君の声を聞いていたくて。
どんな話でもいい、なんでもいいから声が聞いていたくて。
歌ってくれてありがとう。嬉しかった。
でもね、ごめん。
欲張りだから、君が足りなくて、眠れなくなっちゃった。
少しだけ、寂しくて。
眠たかったのに、歌ってくれたのすごく嬉しかった。
ごめんね、わがままで。
朝になって、君に「おはよう」を言って、また声をたくさん聞かせて欲しい。
わがままな僕の心を君の声で満たして。
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