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消えてしまいそうな夜
ふと、目が覚めて、消えてしまいそうになる夜がある。
夜は好きだけど、時に夜は、僕を追い詰める。
小さな不安も大きくなって、答えの無い問いを考えて、心がざわざわと落ち着かなくなって、飲み込まれてしまいそう。
自分の悩みも、ニュースで流れる他人の悲しみも、ごちゃ混ぜになって怪物のように僕に襲いかかる。
ちっぽけな自分の悩みと、大きな、大きな、世界の悲しみを同じ土俵で感じるなんて馬鹿げてるって僕も思う。
でも、どれも同じように僕の心に感じてしまう。
胸がきゅうっと締め付けられて、息が止まる。
助けて。
このまま、消えてしまいそう。
君の声が聞けたなら、少しは落ち着けるのに。
君の声が聞けたなら、安心する事が出来るのに。
凍えてしまいそうなくらいの震えは、毛布では抑える事が出来ない。
じっと、思考が停止して眠ってしまえたらいいのに。そう、願いながら瞼を閉じてベッドで踞る。
寒くて、怖くて、何も出来ない。
早く、僕の震える心臓ごと、抱き締めて、あたためて。