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問4:大手はなぜ顧客関係構築に腐心するのか

今回の問いは、次の素朴な疑問から立てました。

  • 企業の中にいると、顧客をつかむ・取り込むためにいろいろな取り組みをする必要を感じるが、いざ家に帰って生活者・消費者の身になると、自分や家族の生活において何がどうよくなるのか実感がわかない。

まず、企業の立場から考えます。「顧客関係構築」には、いろいろな概念に沿った活動が登場します。例えば…

  • CRM:カスタマーリレーションシップマネジメント

  • UX:ユーザーエクスペリエンス(商品・サービスの利用体験価値)

  • CX:カスタマーエクスペリエンス(顧客の経験価値) など

これらの切り口で、マーケティング、品質管理、顧客満足(CS:カスタマーサティスファクション)などに取り組む部門およびコンサルタントやITベンダーが、いかに企業の顧客を増やすか、継続して買ってもらうかに取り組み続けています。

ここで改めて、なぜ企業がヒト・モノ・カネをつぎこんでそれに取り組むようになっているのか、その背景を考えてみましょう。
わたしなりの解釈で紙芝居風に書いてみました。(汚い手書きの図で申しわけありません。ww)
まずこれをサラっと御覧頂いてから、後ほど詳しく見ていきましょう。
なお、流れが当てはまらない業種業態については、自分の商売ではどうかなと考えてみてください。


顧客関係構築取り組みの背景(私の解釈)

1.ものづくり企業は、顧客接点から遠くなっていく。

  • 遠さをカバーする売り方に移行。

  • まちのお店→ショッピングセンター→ネット通販

  • 直販→代理店→通販

  • 遠くなるというのは、Face to Faceでなくなるとの意

1.モノ売りの変化

2.マーケティングの考え方が変化

  • 売れない時代、何で差をつけるか知恵を絞らないといけない。

  • 機能的価値から感性的価値へシフトしていく必要がある。

2.マーケティングの変化

3.手薄になった顧客接点をどう取り戻すかが対策

  • これが「顧客関係構築」の焦点。
    (後述の詳細説明編もご参照ください。)

3.顧客接点への打ち手

4.それ以外の対策は無いのか? 【今後の課題】

  • 顧客接点の人的レベルは、小規模・零細・個人の方が上

  • 小規模側は、価格差・機能品質の差で商売成り立たなくなり廃業。

  • 小規模側は、いかに強みを活かし、大手の上に立つかが勝負。

  • 大手は、顧客関係構築の投資を小規模側との共働に回せないか?

4.大手の弱み=小規模零細個人の強み

あらためて、ここからが詳細説明になります。

大手企業が顧客関係構築に注力する理由には、競争が激化する市場環境において他社との差別化を図り、持続的な成長を遂げるための戦略的な意図があります。以下に、具体的な取り組みやその背景について説明します。

  1. データ活用の強化: 顧客の行動や嗜好を分析するためのデータを収集・解析し、パーソナライズされたサービスの提供を目指します。これにより、顧客のニーズに的確に応えることが可能となります。

  2. オムニチャネルの展開: オンラインとオフラインを統合した購買体験を提供し、顧客がどのチャネルを利用してもスムーズにサービスを受けられるようにします。これにより、顧客の利便性を高め、満足度を向上させます。

  3. ブランドのストーリーテリング: 企業の価値観やビジョンを明確にし、それをストーリーとして顧客に伝えることで、感情的なつながりを築きます。これにより、顧客のブランドロイヤルティを強化します。

  4. コミュニティの形成: 顧客同士が交流できるプラットフォームを提供し、ブランドを中心としたコミュニティを育てることで、顧客のエンゲージメントを高めます。これにより、顧客が自然に他の潜在顧客を巻き込むことが期待されます。

これらの取り組みは、単なる商品やサービスの提供に留まらず、顧客との長期的な関係を築くことを目的としています。これにより、大手企業は顧客を維持し、新たな顧客を獲得するための強固な基盤づくりを図ります。

とはいえ、大手企業は、組織のサイズとその運営方法の複雑さによって、思い通りの成果にまで至りにくいのが現実です。また、どれだけ素晴らしい基盤を作ろうが自社の商品サービス中心の発想では、顧客の側からすれば限定的・制約的なものと感じてしまいます。
それに本当にこれらの対策が、顧客(あえていうと個客)との間で感性的な価値について関係を深めていけるのかと考えると、かなり企業側の論理でしかないと言わざるを得ません。

一方、小規模零細個人事業主は、どう取り組めばいいのでしょうか?
大手の弱点を逆手に取り、自らの強みをより究めることが、重要な戦略となります。以下に、小規模事業主が大手に対抗する方法を上げてみましょう。

  1. 顧客との密接な関係構築
    小規模事業者は、顧客と直接対話し、個々のニーズを深く理解することができます。これは、顧客の真の願いや潜在的な欲求をくみ取るうえで非常に重要です。このようなFace to Faceの関係性は、大手にはなかなか真似できない強みです。

  2. 地域密着型サービスの提供
    地域に根ざしたサービスを提供することで、地元住民の信頼を得ることができます。地域の文化や習慣を理解し、顧客の生活に寄り添った提案が可能です。

  3. 柔軟な対応力
    小規模ならではの迅速で柔軟な対応は、大手では実現しにくい利点です。顧客の緊急のニーズに対して素早く対応し、問題解決を図ることで、信頼を築くことができます。

  4. 個別あつらえされたサービスの提供
    大手企業が提供する画一的なサービスとは異なり、顧客一人ひとりにカスタマイズされたサービスを提供することができます。これにより、顧客満足度を高め、長期的な関係を築くことができるでしょう。

  5. 包括的なブランドの形成
    同じような価値観を持つ異なる商売の事業者同士で協力し合うことで、より大きなブランドとすることができます。これにより、規模の小ささや商品サービスのラインナップの少なさを補いあい、その地域での持続的な経営に向けて支え合うことが可能です。

小規模事業者は、大手の弱点を上手く補完することで、独自のポジションを築くことができますが、大手と競合するのではなく、相互補完関係を築くことで、より持続可能で利益を生むビジネスモデルを目指すことが望ましいかもしれません。
しかし、これらの対策すべてを一事業者で達成することは不可能であり、地域のプロデューサー的存在+第三者的活動体が必要不可欠であることは言うまでもないことだと思います。

以上、かなり小難しい理想論(妄想ww)を語りましたが、研究室では、「実際どうすんねん?!」ということを話題にしていきます。また、大手の立場ではなく、小規模零細個人事業主の立場で考察を進めていきます。
(もう退職してるしww)


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せるとら攻略研究所
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